中国 カンニングペーパーからスマートグラスへ

「メガネを外してください」 AI時代の新たな受験事情=中国の大学試験

2026/06/11
更新: 2026/06/11

最近終了した中国の大学入試「高考(ガオカオ)」で、ある光景が話題になった。

受験生が試験会場の入口でメガネを外し、試験監督のチェックを受けていたのだ。

背景にあるのは「スマートグラス」の存在だ。見た目は普通のメガネだが、撮影や通信機能を備えた製品もあり、近年はAI機能を搭載した製品も登場している。そのため、当局は不正への悪用を警戒し、一部地域では、眼鏡そのものが検査対象になった。

さらに試験中はAI監視システムも導入された。周囲を何度も見回す、隣の答案をのぞき込む、ひそひそ話をするといった行動を自動で検知し、不審な動きがあれば監督員に通知するという。

日本では、せいぜい携帯電話の電源を切り、かばんにしまうよう求められる程度だが、中国ではスマートフォンやスマートウォッチ、スマートグラスなどを会場へ持ち込んだだけで不正行為と判断される。使っていなくても全科目の成績が無効になる場合がある。

かつて試験で問題になったのはカンニングペーパーや携帯電話だった。現在はスマートウォッチやスマートグラスなど、身に着ける電子機器全般へと警戒の対象が広がっている。

中国では毎年1千万人を超える若者が「高考」に挑む。進学や就職、その後の人生にも大きな影響を与えるとされるだけに、不正対策は年々厳しくなっている。

「眼鏡を外してください」

かつて試験会場で警戒されたのはカンニングペーパーだった。いまは眼鏡である。

これがAI時代の新たな受験事情だ。技術の進歩とともに、不正対策もまた新しい段階に入っている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!