中国でいわゆる「有毒紙おむつ」問題が発覚して以降、不安が急速に広がっている。保護者の間では対応に追われる動きが見られ、子どもを病院に連れて行き、血液検査を受けさせるケースも出ている。
中国メディア『経済参考報』は6月18日、調査報道を発表した。同紙が専門の検査機関に委託し、市場に流通している一部ブランドの乳幼児用紙おむつを抜き取り検査した結果、「好奇」「碧芭宝貝」「Babycare」など複数の製品から、有害物質であるホルムアミドが検出されたと報じた。この報道を受け、保護者の間に不安が広がり、SNS上ではさまざまな対処法が共有されている。
保護者の不安と過熱する対処行動
鳳凰網の報道によると、王詩詩さんという母親は、「ホルムアミドは120度で加熱すれば除去できる」とする解説動画を見たという。その後、AIサービス「豆包」に加熱方法を尋ねたところ、「紙おむつを平らに広げて間隔を空けて並べ、110度で60分加熱し、その後屋外で4時間換気してから再度加熱する」との回答を得た。
王さんはその指示通りに実行し、さらに自身の母親にも30枚以上の紙おむつを加熱させた。しかし、加熱後の紙おむつはXLサイズからLサイズに縮み、赤ちゃんに履かせると太ももの付け根や腹部に赤い跡が残ったという。王さんは苦笑しながら、「かわいそうだが、有害物質があるよりはましだ」と語った。
また、張蘭さんの赤ちゃんは生後2か月で、これまでBabycare製品を使用していたが、この問題を受けて使用を控え、布おむつに切り替えた。しかし、赤ちゃんは授乳のたびに排便するため、20枚以上用意しても足りず、結局、再び紙おむつに戻さざるを得なかった。他の多くの母親は、紙おむつを天日干しする方法を選んでいる。
さらに、一部の保護者は紙おむつを検査機関に送り、独自に検査を依頼している。李清琳さんが提出したBabycareの紙おむつ1袋からは、5.31mg/kgのホルムアミドが検出された。ホルムアミドは「有毒性を持つ化学物質」とみなされている。
血液検査に踏み切る家庭の増加
莎莎さんは、ちょうど1歳になったばかりの子どもを病院に連れて行き、健康診断の一環として静脈血を6本分採取した。子どもは激しく泣いたものの、幸い検査結果は正常であった。
専業主婦の楊さんは封面新聞の取材に対し、「娘は1歳になったばかりで、報道された問題のブランドの紙おむつはすべて使ったことがある。すぐに別のブランドに切り替え、病院で検査も受けた」と語った。
「ちょうど定期健診の時期だったため、血液と尿の検査を受けたが、結果はいずれも正常で、家族全員が安堵した」とも述べた。一方で、紙おむつに関する不安は完全には払拭されておらず、今後も状況を注視していくとしている。
現行基準の欠落と規制の課題
現在、当局はすでに調査に乗り出している。ただし、中国の現行の乳幼児用紙おむつに関する基準では、「ホルムアミド」は必須の検査項目に含まれておらず、明確な安全基準値も設定されていない。
この状況を受け、ネット上では規制強化を求める声が相次いでいる。「早急に原因を解明すべきだ」「一日も早く基準を制定すべきだ」といった意見のほか、「EUの基準が有効であるなら、中国の国家基準もそれに準拠すべきだ」との指摘も見られる。
一方で、「最終的にはうやむやになるのではないか。これまでも同様の問題は繰り返されてきたが、十分な対応が取られないまま、時間の経過とともに関心が薄れていく」との懐疑的な見方も出ている。
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