「犬をリードにつながず散歩する人がいる」。マンションのエレベーター内などで犬をリードにつながず散歩する住民について、武漢市の一般市民の男性は警察に通報した。しかし警察は防犯カメラの確認などを行わず、男性が何度問い合わせても対応しなかった。
その後、男性は警察官とのやり取りで身の危険を感じ、110番して保護を求めた。しかし警察は一向に駆け付けず、男性は助けを求めて通報を続け、その回数は数十回に及んだ。
翌朝、警察署の副所長は男性に電話をかけ、「自宅へ謝罪に行きたい」と申し出た。しかし男性が断ると、通話終了から約10分後、副所長は警察官4人を伴って自宅へ押しかけた。警察は鍵を強制的に開けて室内に侵入し、男性に暴行を加えたうえで精神科病院へ連行した。
病院のカルテには、「犬の放し飼いや近隣トラブルなど些細なことで200回以上110番し、精神異常が疑われる」と記されていた。しかし病院で行われた心理検査では、うつや不安、妄想傾向など主要項目のすべてで「異常なし」と判定された。それでも男性は注射や投薬を受け、7日後、自ら入院費を支払って退院した。
ところが約1年後、警察から「話を聞きたい」と呼び出された男性は、再び精神科病院へ連行された。今度は約60日間拘束され、強制入院にもかかわらず、入院費まで本人側が負担することになった。
男性は警察による違法拘束だとして訴え続けているが、警察は訴えを受け付けず、司法手続きにも進めない状態が続いている。
この事件は、中国メディア「奔流新聞」なども大きく報じた。中国ではこれまでも、政府や警察に異議を唱えたり、陳情を繰り返した市民が精神科病院へ送られる「精神病送り」がたびたび問題になってきた。
しかし今回は、110番通報を繰り返した一般市民が、心理検査で「異常なし」と判定されたにもかかわらず精神科病院へ送られたことから、中国のネット上では「通報が多いだけで精神病扱いされるのか」「そもそも何度も通報したのは、警察が対応しなかったからではないか」といった驚きや疑問の声が広がっている。
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