中国を代表する高級酒「白酒」が、かつてない不振に陥っている。
酒蔵が保管していた大量の「原酒」は次々と競売に出されているが、買い手はほとんど現れない。ようやく売れても、500グラムあたり約80円前後と、コーラ並みの価格まで値下がりした例もあった。
原酒とは、穀物を発酵・蒸留したままの酒で、水で薄めたり味を調整したりする前の「白酒のもと」だ。市販の白酒は複数の原酒をブレンドして造られるため、原酒は酒蔵にとって最も重要な資産とされ、「寝かせるほど価値が上がる」と言われてきた。
しかし今、その「資産」が売れない。倒産した酒造会社などが原酒を競売にかけても、品質や保管状態が分かりにくいうえ、運搬や検査にも費用がかかるため、大手メーカーでさえ買い取りを敬遠しているという。
背景には、中国白酒市場全体の深刻な低迷がある。中国酒業協会によると、今年上半期は販売量と売上が減少した企業がともに65%を超え、利益率が悪化した企業は86%に達した。業界では、販売量・価格・利益がそろって落ち込む「三重苦」に直面している。
企業の接待や結婚式など宴会需要が戻らず、人の節約志向も強まったことで、高級酒への支出は大きく減少した。さらに若い世代ではビールや果実酒などを好む人が増え、白酒離れも進んでいる。
かつては「酒蔵の宝」とまで呼ばれた原酒が、今ではコーラ並みの安い値段で売られる。高級酒市場にも、不況の波は確実に押し寄せている。
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