NATO最高司令部の元インターンがスパイ容疑で逮捕 中国系カナダ国籍者か

2026/07/27
更新: 2026/07/27

ベルギー連邦検察は25日、北大西洋条約機構(NATO)の欧州連合軍最高司令部(SHAPE)でインターンとして勤務していたカナダ国籍の女性を、スパイ行為や犯罪組織への参加の疑いで逮捕したと発表した。女性は現在、勾留されている。

検察は声明で、女性について「第三国のためにスパイ行為を行い、犯罪組織の一員であった疑いが持たれている」と説明した。女性の身元や、情報提供先とされる国・組織は公表していない。AP通信によると、当局は拘束した人物を「中国系のカナダ国籍者」と説明した。

女性の行動を把握したSHAPEの保安部門がベルギーの情報機関に通報し、連邦検察と司法警察による捜査が始まった。当局は女性の自宅とSHAPE内の勤務先を捜索し、翌日24日に身柄を拘束した。

SHAPEの報道官は、今回の事件によってNATOやSHAPEの作戦即応態勢、指揮・統制体制、進行中の任務に影響が出たことを示す兆候はないと説明した。「SHAPEは中断することなく職責を果たし続けている」としている。

ベルギー連邦検察は、捜査が継続していることを理由に、これ以上の詳細を明らかにしていない。

SHAPEはNATOの最高軍事司令部であり、加盟32カ国の軍事作戦の計画と実行を担う欧州連合軍作戦司令部の拠点である。NATOのサイバーセキュリティーセンターも置かれている。政治部門の本部はブリュッセルにあり、加盟国の大使が国防費やドローンによる領空侵入、サイバー脅威などについて協議している。

容疑者の国籍国であるカナダと、捜査を進めるベルギーはいずれもNATO加盟国である。一方、当局はスパイ行為の相手とされる国・組織を明らかにしていない。

NATOは2021年、ロシアおよび中東における現に存在する脅威と並べ、中国を「安全保障上の挑戦」と位置づけた。NATO首脳は、中国が不透明な形で軍事力を増強し、偽情報を流布していると指摘し、中国の目標や「威圧的な振る舞い」が、ルールに基づく国際秩序と同盟の安全保障に構造的な挑戦を突きつけているとの認識を示した。

これに対し、中国政府はNATO側の表明に反発し、自国の軍備増強は防衛を目的としたものだと主張している。