中国 私有財産への強引な介入に批判

「そこまでやる?」風俗街の扉をコンクリートで封鎖=中国・長沙

2026/08/10
更新: 2026/08/10

路地を歩いていると、妙なことに気づく。

建物は普通に並んでいる。窓もある。ところが、あるはずの出入口がない。よく見ると、扉のあった場所はレンガやコンクリートで埋められ、壁のようになっている。それは一軒だけではない。右も左も、同じように入口を塞いだ建物が続いている。

いったい、ここで何が起きたのか。

この異様な光景の撮影は、中国・湖南省長沙市の玉蘭路。この一帯は以前から、非公認の風俗店が集まる「地下風俗街」として知られていた。

中国当局は違法風俗の取り締まりを行ってきたが、その方法があまりにも強引だとして波紋を広げている。営業停止や摘発だけではなく、建物の出入口そのものをレンガやコンクリートで物理的に塞いでしまったのだ。

ネットの投稿動画では、多くの出入口を完全に封鎖し、さらに複数の場所で工事を続けている。建物の正面を鉄板で覆い、出入口部分だけ小さく切り抜いたような場所も確認できる。

ネット上では「違法営業を取り締まるのはわかる。しかし、私有財産の出入口まで勝手に塞いでいいのか」「権力があれば何でもできるのか」「ここまでやる必要があるのか」といった批判や疑問が相次いだ。

実は、この一帯は1年前からすでに一部の出入口を封鎖していた。当時の映像では、貸店舗を募集する貼り紙も数多く確認できるが、かつて賑わっていた「地下風俗街」も、中国経済の低迷とともに客足が減り、活気を失いつつあったという。

違法風俗を取り締まることと、人が出入りする扉そのものをコンクリートで埋めることは同じではない。

「違法だから取り締まる」そこまでは理解できても、「だから入口を壁にしてしまう」となれば話は別だ。今回ネットで広がった驚きや批判は、風俗店の是非よりも、行政の権限が私有財産にどこまで及んでいいのかという、別の問題を突きつけている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!