米軍 ホルムズ海峡の通航支援 5月以降に原油6億6千万バレル超

2026/08/22
更新: 2026/08/22

米中央軍は、5月初め以降、各国のタンカーなど商船によるホルムズ海峡の通航を支援し、これまでに6億6千万バレルを超える原油が運ばれたと明らかにした。

CNBCによると、米中央軍報道官のティム・ホーキンス海軍大佐は8月20日の声明で、5月初め以降、米軍が約1300隻の商船の通航を支援したと述べた。

ホーキンス氏は「複数の航路は引き続き開かれており、商船が通航できる」としている。

米軍のこれまでの発表から試算すると、過去3週間で少なくとも1億6千万バレル、1日平均700万バレル超の原油がホルムズ海峡を通過したことになる。

米中央軍は7月29日、5月以降に米軍の支援を受けて同海峡を通過した石油が5億バレルに達したと発表した。

現在の輸送量はなお戦争前の水準を下回る。当時は原油と石油製品を合わせ、1日約2千万バレルがホルムズ海峡を通過していた。

ただ、米軍のデータからは、イランの威嚇や攻撃が続く中でも相当量の石油輸送が続いていることが分かる。

米当局者は8月19日、ニュースサイトAxiosに対し、ここ数週間は1日約1千万バレルの石油がホルムズ海峡を通過していると明らかにした。

クリス・ライト米エネルギー長官も8月11日、7日間平均の輸送量が1日約900万バレルまで増えたと述べた。

民間データでは輸送量に差

海事情報会社Windwardの推計では、7月にホルムズ海峡を経由して輸出された原油は1日平均約500万バレルだった。6月は約400万バレル、5月は約160万バレルだった。

Windwardのシニア海事情報アナリスト、ミシェル・ヴィーゼ・ボックマン氏は、8月の輸出量も7月を上回る見通しだと述べた。

ボックマン氏は「イランが海上の安全に大きな圧力をかけているにもかかわらず、輸出量は拡大しており、その伸びも速い」と語った。

また、「湾岸諸国が米軍の軍事保護を受けていることはもはや秘密ではない」とした上で、各国はホルムズ海峡を経由する石油輸出を増やすため「あらゆる努力をする用意がある」と述べた。

海運専門紙「ロイズ・リスト」の海事情報・調査部門ディレクター、ブリジット・ディアクン氏は、戦時下では船舶の追跡が難しく、ホルムズ海峡を通過する石油の正確な量について信頼できる情報が不足していると指摘した。

ディアクン氏によると、船舶は夜間に通航することが多い一方、衛星画像は通常、午前中に撮影される。8月20日の記者の説明では「不明な点が数多くある」と述べた。

ライト氏も先週、「船舶が追跡を避けるように航行しているため、多くの民間機関はホルムズ海峡を抜ける船舶数を過小評価している」と述べた。

同氏は「米エネルギー省は米軍と連携し、アラビア湾から出る原油や石油製品について、最も正確なデータを把握している」と投稿した。

ホルムズ海峡をめぐる安全情勢は依然として緊張が続いている。

イランは8月18日、アメリカが6月17日に署名した暫定和平合意に基づく義務を履行するまで、ホルムズ海峡を閉鎖すると表明した。

これに対し、トランプ米大統領は同海峡は開かれており、アメリカが掌握していると主張している。

ここ数か月、ホルムズ海峡の船舶は主に2つの航路を利用している。

米軍はオマーン沿岸に近い南側の航路を通る船舶を支援しているほか、イランの港湾に対して海上封鎖を実施している。

一方、イラン側は船舶に対し、自国領海を通る北側航路を利用するよう求め、従わなければ攻撃を受ける恐れがあると警告している。

世界最大級の海運業界団体、ボルチック国際海運協議会のヤコブ・ラーセン安全・セキュリティー責任者は「ホルムズ海峡の安全情勢をめぐっては、双方の主張が対立している」と述べた。

ラーセン氏によると、海峡は最も狭い地点で幅21マイルしかなく、アメリカはオマーン寄りの海域でより強い影響力を持つ一方、イランは自国沿岸に近い海域で「優位に立っている」。

「ただ、双方とも海峡の反対側まで軍事力を及ぼす能力を持っている」と指摘した。

国連の専門機関、国際海事機関(IMO)によると、7月から8月にかけて、ホルムズ海峡とその周辺海域では少なくとも17隻の商船が攻撃を受けた。少なくとも船員4人が死亡し、10人以上が負傷した。

一方、Windwardのボックマン氏によると、こうした航海を行うタンカーは1日当たり50万ドル(約7947万円)の収入を得ることもある。船員の賃金も通常の2倍、場合によっては3倍になるという。

ボックマン氏は「石油を運び出す作業は極めて緊張を伴う厳しい任務であり、大きなリスクを伴う一方、報酬も大きい」と述べた。

呉畏