8月26日、米IT大手Metaは、48州と4地域の司法長官との間で和解に合意し、最大180億ドルを支払うことになった。SNSが青少年に害を与えたとして争われてきた大規模な連邦訴訟が終結する。和解が連邦判事に承認されれば、IT企業が自社のプラットフォームについて法的責任を問われる新たな流れにつながる。
和解の一環として、MetaはFacebookとInstagramの仕様を大幅に見直す。18歳未満の利用者については、1日の利用時間を原則2時間に制限する設定を導入する。
和解には異例の仕組みも盛り込まれた。TikTokと、Alphabet傘下のYouTubeが、未成年者の1日の利用時間を原則1時間に制限し、各州に約53億ドルを支払う条件に同意しない場合、Metaが支払う和解金は10年間で総額の7割にとどまる。一方、TikTokとYouTubeがこの条件を受け入れれば、Metaも残る3割に当たる約53億ドルを支払う。
和解金は各州の人口に応じて配分され、10年間にわたって分割で支払われる。対象は48州に加え、コロンビア特別区、プエルトリコ、米領サモア、北マリアナ諸島の4地域。類似の訴訟で今年春にMetaを相手取り勝訴したニューメキシコ州とフロリダ州は、今回の和解には含まれていない。
Metaはさらに「夜間モード」と「学校モード」の導入にも合意した。夜間モードでは午前0時から午前6時まで、プッシュ通知を初期設定で停止する。学校モードでは、授業時間にあたる午前8時から午後3時まで未成年者への通知を止める。これらの設定を変更するには保護者の許可が必要となる。
このほか、未成年者への「いいね」などの反応数の表示を制限し、顔を美容整形したように加工するフィルターも提供しない。利用者ごとのおすすめ機能に頼らないフィードも用意する。年齢確認や保護者向けの管理機能を強化するとともに、いじめ、摂食障害、自殺、自傷行為に関するコンテンツへの対策も拡充する。
Metaの法務責任者C・J・マホニー氏は和解成立後、青少年のSNS依存への対応について、Metaが全米の規制当局と合意に達したのは今回が初めてだと述べた。
和解は今後、連邦判事の承認を得る必要がある。承認されれば、関係州が起こした訴訟は終結し、現在進んでいる裁判も終了する。
裁判はカリフォルニア州オークランドの連邦地裁で行われており、現在2週目に入っている。当初は10月初旬まで続く予定だった。
訴訟はカリフォルニア州、ケンタッキー州、ニュージャージー州、コロラド州の司法長官が起こした。Metaが自社のプラットフォームに利用者を依存させる性質があると認識しながら、未成年者向けにコンテンツを推薦・表示し、各州の消費者保護法や1998年制定の連邦児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反したと訴えていた。
各州の司法長官は当初、Metaに約2千億ドルの賠償を求めていた。
Metaは現在も、学区や個人を原告とする数千件の訴訟を抱えている。原告側はSNSによって被害を受けたとして、InstagramやFacebookを「製品」と位置づけ、その設計上の責任をMetaに問おうとしている。
これまで原告側は、Metaのアプリ上に表示されるコンテンツそのものについても責任を追及してきた。しかし裁判所は、利用者が作成したコンテンツについて、連邦法に基づき同社には広範な免責が認められるとの判断を示している。
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