ロシアによるウクライナ侵攻が4年半に及ぶ中、プーチン大統領が突然、和平交渉を示唆する発言を行った。
プーチン氏は東方経済フォーラムで、戦争終結に向けた機会が生じており、露・ウクライナ両国が情報ルートを通じて接触を続けていると明らかにした。中国や米国など主要国も、平和的な解決を支持する用意があると述べた。
ただ、戦争は本当に終結へ向かうのか。
プーチン氏は一方で、ウクライナによるロシア領内への攻撃を「国家テロリズム」と非難し、交渉の見通しを「極めて複雑」にしていると主張した。ウクライナの外相も和平に向けた取り組みが「新たな動き」を迎えると述べたが、具体的な内容には言及しなかった。
こうした発言を受け、国際穀物市場も反応した。シカゴ商品取引所の小麦先物価格は2%超下落した。
和平交渉を巡る発言が揺れ動く一方、ロシア国内では戦争の影響が一段と鮮明になっている。この夏、ウクライナによる攻撃はロシア本土の主要都市やインフラにも及んだ。
ウクライナ軍の無人機攻撃により、ロシアの空港が相次いで運航停止に追い込まれたほか、製油所も攻撃を受けた。大手電子商取引企業の巨大倉庫が炎上する事態も起きた。また、今年6〜8月にロシア軍が迎撃した無人機は4万3千機を超え、前年同期の約6倍に達した。
エネルギー大国のロシアでは、燃料不足も深刻化している。給油のためガソリンスタンドで2日間にわたり列に並んだ市民もいる。倉庫に保管していた商品を無人機攻撃で失ったとして、起業家らがインターネット上で窮状を訴えるケースも相次いでいる。
戦火の拡大に加え、新たな徴兵が行われるとの観測も広がり、社会の不安は強まっている。若者を中心に国外へ脱出する動きもみられる。
世論調査では、プーチン氏の支持率は昨年9月の87%から今年は76%に低下した。これまでの楽観的な空気は薄れ、国内では悲観と不安が広がっている。
9月中旬には、全面戦争の開始後初となる議会選挙が予定されている。
立候補者は厳しく管理され、選挙結果に大きな変化が生じる可能性は低いとみられる。それでも、政権に対する不満の兆候は表れている。「戦争の終結」を掲げる野党が当局によって選挙名簿から急きょ排除された際には、若者を中心に反発が広がり、同党への入党申請が急増した。
和平の行方が依然として外交交渉の駆け引きに左右される一方、ロシア国内では戦争が社会と国民生活に及ぼす影響が拡大している。ロシアの世論と社会情勢は、戦争開始以来、かつてない試練に直面している。
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