街を歩けば監視カメラ、教室内や農村にも監視カメラ。中国はどこへ行っても監視カメラだらけだ。
それだけ見張っていれば、さぞ犯罪捜査も行方不明者の捜索も万全かと思いきや、犯罪は起き、子供が行方不明になっても見つからないケースは後を絶たない。
そんな中国で、「さすがに付けすぎでは?」と目を疑う光景が話題になった。江西省の農村で、一本の柱に、なんと84台もの監視カメラがびっしり取り付けられていたのだ。
訪れた観光客があまりの多さに数えたところ、84台あったという。ただし、村側(萍郷市槽下村)によると、実際に使われているのは1台だけ。残る83台は壊れたカメラを並べた「撮影スポット」だという。
とはいえ、中国でカメラが大量に並ぶ光景そのものは珍しくない。今年4月には山東省青島市の交差点でも、2本の柱に18台の監視カメラが設置されていることが話題になった。このうち12台はすでに使用停止していたが、6台は実際に使われていた。
中国では、都市部の「天網」、農村部の「雪亮」と呼ばれる国家プロジェクトで監視網を拡大。顔認証も活用し、全国に巨大な監視網を築いてきた。
その規模はどれほどか。政府は総数を公表していないが、市場調査(2022年)では、中国の公共・商用監視カメラは約6億~7億台と推計されている。世界最大規模だ。
皮肉なのは、これだけ監視カメラがあるのに、子供の失踪や学校での不審な転落死など、事件性が疑われたり、地元当局にとって都合の悪い問題になると、肝心の映像が「故障」「死角」「保存されていない」などとして出てこないことだ。
こうした「都合の悪い時だけ見えなくなる」現象は、中国のネットで「選択性失明(選択的失明)」「(共産)党性の強いカメラ」などと皮肉られ、すっかりおなじみの揶揄となっている。

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