【分析】中国経済 「ソ連の特徴を備えた日本化」へ

2026/10/08
更新: 2026/10/08

中国経済は「日本化」に向かうのか、それとも「ソ連化」に向かうのか。近年、両説にはそれぞれ支持者がいたが、今、新たに第3の可能性として「ソ連式日本化」が浮上している。最新の分析によると、中国は日本型の低成長、需要の弱さ、高齢化と、国家の介入強化による資源配分のゆがみに同時に直面する可能性がある。

日本化とソ連化

「日本化」は新しい見方ではない。中国の不動産バブル、高齢化、債務の累積、消費の弱さを背景に、中国経済は1990年代のバブル崩壊後の日本と比較されている。野村総合研究所のリチャード・クー(辜朝明)主席エコノミストは、長年「バランスシート不況」という枠組みで日本経済の停滞を分析し、近年は中国も比較対象に加えている。

クー氏は6月、サウスチャイナ・モーニング・ポストの取材に対し、中国には当時の日本と似た点が複数あり、強力な技術産業と巨大な市場があっても、日本と同様の経済的苦境を回避できるとは限らないと述べた。

学術研究でも、中国の「日本化」の可能性が引き続き議論されている。2025年に発表され、2026年に刊行された研究は、中国と日本はいずれも供給過剰とデフレ圧力に直面した経験があるものの、成長モデルと政策対応には重要な違いがあると指摘した。このため、中国が日本型の停滞に陥ったとしても、日本と同じ経済の道筋をたどるとは限らないという。

もう1つの分析の方向性が「ソ連化」だ。日本総合研究所の呉軍華理事は2024年に「ソ連化のわな」を提唱し、中国が直面する主要なリスクは日本型の停滞ではなく、国家が経済への統制を再び強めることだとした。国有企業の拡大、民間企業の活動余地の縮小、非効率な企業への政府支援などの現象が、旧ソ連に似た「ソフトな予算制約」を生み、資源配分の効率にさらに影響を及ぼす可能性があると指摘した。

研究者が「ソ連式日本化」のシナリオを提示

中華経済研究院第1研究所の劉孟俊研究員は10月6日、政治大学での講演で、第15次5か年計画から中国共産党(中共)第21回党大会までの間に、中国経済が「ソ連の特徴を備えた日本化」に向かう確率は、「中成長のリバランス軌道」に向かう確率より高いと述べた。

劉氏は、現在の中国経済が直面する中心的な制約は、成長力の不足や外部からの圧力だけではなく、「安全優先」が次第に制度の仕組みの一部になりつつあることだとみている。こうした政策志向の下では、技術の自立や産業の安全保障といった目標が資源のさらなる集中を促し、当局による経済への介入を強める可能性があるとした。

劉氏は、投資ギャップが縮小するか、消費のGDPに占める比率が持続的に上昇するか、設備稼働率が回復するかという3つの指標を挙げた。市場メカニズムが徐々に回復し、財産権の保護が改善され、家計部門の所得比率が高まれば、中国はなお「中成長のリバランス」に向かう可能性があると述べた。一方、安全を重視する姿勢が市場機能を引き続き圧迫すれば、「強い統制と低い効率」を特徴とする長期停滞の構図が形成される可能性があるという。

責任編集:高静

趙彬