高市早苗首相は10月9日、自身のX(旧Twitter)を更新し、米国が国際刑事裁判所(ICC)自体に対する制裁措置を決定したことについて、日本政府として強い懸念を表明した。日本はカナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、デンマーク、オランダの7か国と共同外相声明を発出し、米国の措置に遺憾の意を示すとともに、強く反対する立場を明らかにした。
米国側は、自国や同盟国のイスラエルがローマ規程の非締約国であることを理由に、ICCによる米国人関係者への捜査やイスラエル高官への逮捕状発出を不当な主権侵害および政治的権限の乱用であると非難していた。
高市首相は、日本政府が国際社会における法の支配を一貫して重視し、ICCを支持してきたことを強調した。米国による今回の制裁措置は、こうした日本の従来の立場とは相容れないとの認識を示した。
首相はこれまでにも、国連総会での一般討論演説や国会での所信表明演説で、法の支配を重視する日本の基本姿勢を表明している。
8か国が共同声明 ICCの独立性と公平性を支持
日本を含む8か国の共同外相声明では、ICCの設立根拠となるローマ規程の締約国として、裁判所の独立性、公平性、完全性に対する揺るぎない支持を改めて表明した。
声明は、米国がICC自体への制裁措置を発表したことに遺憾の意を示し、強く反対する立場を明確にした。
また、制裁措置が実施された場合、ICCの業務や職員、その家族に重大な影響が及ぶことへの懸念を表明した。
ICCは、重大な国際犯罪の責任追及や被害者支援に取り組んでいる。8か国は、今回の措置によって、こうした活動に従事する職員やその家族にも影響が生じる可能性を問題視している。日本政府は今後、米国への外交的な働きかけを継続する方針だ。
高市首相は、先般の日米首脳会談での合意を踏まえ、茂木敏充外相とマルコ・ルビオ米国務長官との間で意思疎通を進めていく考えを示した。
同時に、ICCの赤根智子所長や関係国との連携を維持し、ICCが本来の役割と機能を果たせるよう、必要な支援を続ける方針を明らかにした。
12月の締約国会議に向け対話を重視
共同外相声明では、2026年12月に予定されるローマ規程締約国会議に向け、ICC非締約国とも建設的かつ包括的な対話を進める方針を示した。
8か国は、ICCの独立性を維持するとともに、ルールに基づく国際秩序を守り、重大な国際犯罪に対する責任追及を推進していく姿勢を強調した。
日本政府は、米国との外交関係を維持しながらも、ICCへの支持と制裁措置への反対を明確にしている。今後は、日米外相間の協議や関係国との連携を通じ、ICCの活動と機能をいかに維持していくかが焦点となる。
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