三菱マテリアル 中国からのタングステン輸入を停止 ベトナムから調達

2026/10/11
更新: 2026/10/11

日本経済新聞によると、三菱マテリアルは、中国共産党(中共)政府の輸出規制を回避し、超硬工具の製造に使う再生タングステンの調達をベトナムから開始した。

タングステンは、超硬合金製の刃先や工作機械用の切削工具を製造するための重要な材料で、自動車エンジンや航空機部品などの精密金属加工に広く使われている。

ベトナムと米国からタングステンを輸入

三菱マテリアルは2024年より前、ベトナムのタングステン再生会社に出資していた。資本関係の解消後も一部の取引は続けていたが、中国産タングステンの方が安価だったため、中国からの輸入を優先してきた。こうした状況は、中共が2025年2月にタングステン製品と他の4種類の金属に輸出規制を導入するまで続いた。

三菱マテリアルは2026年、超硬合金の廃材を再生した製品を含め、ベトナムからタングステンを大規模に輸入し始めた。関係者によると、同社はすでに中国からのタングステン輸入を停止したが、現在、自社の需要を満たす供給量を確保できている。

ベトナムからの調達によって国内生産施設への原料供給を確保できる一方、コストが高いため、同社は製品価格を大幅に引き上げざるを得ない。

中共の輸出規制導入後、日本企業は代替調達先の確保に取り組んでいる。1~8月の日本のタングステン輸入に占める中国の割合は、2024年同期の47%から13%に低下した。ベトナムの割合は従来の4倍となる20%に上昇し、米国からの輸入の割合も上昇した。

タングステン価格が大幅上昇

他国からタングステンを輸入する際の最大の問題は、コストの上昇だ。商品市況の情報会社アーガス・メディアのデータによると、年初以降、タングステンの市場価格は従来の約3倍に上昇した。

原材料の輸入コスト上昇に対応するため、三菱マテリアルは6月受注分から超硬工具と関連部品の価格を引き上げた。一部製品の値上げ幅は200%を超え、今後さらに値上げする可能性があるとしている。

国内の競合企業である住友電気工業も最近、今年3回目の値上げを発表した。

李平