「司法省は、アメリカ国民の権利を守るために慎重に制定された長年の法律を踏みにじることはできない」と判事は述べた。
司法省(DOJ)は有権者登録者の氏名を取得し、連邦政府の移民データベースと照合することはできないとする判断を連邦地裁の判事が下した。
ワシントンを拠点とする連邦地方裁判所のスパークル・スークナナン判事は、10月9日に司法省に対して命令を言い渡した。
司法省は各州に有権者登録者名簿を提出するよう要請し、それを入手した上で、市民権情報を含む「権利受給のための外国人適格性自動確認システム(SAVE)」と照合していた。
SAVEデータベースに基づき市民権を持たないにもかかわらず有権者登録されていると特定された人物について、司法省は有権者名簿から除外するよう各州に要求してきた。
「異議が申し立てられたこの方針は、誰に投票権を与えるかを連邦政府が決定しようとする試みを意味している」とスークナナン判事は述べた。「しかし議会は、その権限を合衆国憲法が一貫して定めてきた場所、すなわち各州に委ねているのである」。
判事はまた、司法省が「アメリカ国民の権利を守るために慎重に制定された長年の法律を踏みにじることはできない」とも指摘した。
本稿の公開時点までに、司法省はコメントの要請に応じなかった。
この方針を相手取って提訴した原告団の代理人を務める、アメリカ自由人権協会(ACLU)の上級弁護士ミン・チョン氏は、声明で次のように述べた。
「トランプ政権は、選挙運営への介入、結果への信頼の失墜、そして混乱の誘発を狙った極端な措置を幾度となく講じてきた」
「この機微な有権者データを差し押さえようとする動きも同じ手口の一環であり、本日の判決は、政権が連邦政府を利用して選挙を混乱させたり有権者の権利を危険に晒したりすることはできないと明確に示した」
「コモン・コーズ(Common Cause)」と「ワシントンの責任と倫理を求める市民(CREW)」は4月に提訴した。司法省は、有権者の資格確認を民間業者に委託するために機密データを共有しようとしたほか、市民権がないとされた有権者の名簿抹消を各州に迫ろうとしていた。そのため、州のデータをもとに全国規模の有権者データベースを構築する試みは違法であると原告側は主張した。
「司法省による野放図で新たな有権者監視、データ統合、名簿排除の運用を認める連邦法は存在しない」と両団体は述べた。
政府側の弁護士は、議会は司法省に対して全国有権者登録法(NVRA)を含む投票法の執行権限を与えており、今回の取り組みはその執行の一環であると主張した。
同法は、不適格な有権者を有権者名簿から除外するために州が「合理的な努力」を行わなければならないと定めており、州が法に従わない場合には司法長官が州を提訴できるとしている。
司法省は、トランプ大統領が司法長官に対し、不適格者による投票を含む選挙法違反の疑いを特定するため各州と協力するよう指示したことを受けてこの方針を策定した。
スークナナン判事は、政府側が引用した法律は当該方針に法的根拠を与えるものではないと指摘した。
「司法省の前代未聞の行動を正当化すると解釈することは、これら有権者保護法の趣旨を根本から覆すことになる」と判事は記した。
例えば全国有権者登録法は、有権者名簿の維持管理において州が果たす役割を重視しており、司法省に州から有権者データを要求する権限を与えているわけではないと判事は述べた。
判事は、司法省による有権者名簿の維持管理に向けた取り組みを無効とした。
これに先立つ数週間前、連邦最高裁は関連訴訟において、同判事が下していた「政府によるSAVE拡張版の利用差し止め命令」の効力を一時停止していた。今回の判決はそれに続くものである。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。