一生に一度の結婚式。豪華な披露宴や記念写真にお金をかけるのが当たり前だった中国で、今、若者たちの結婚スタイルが大きく変わり始めている。
中国東北部・遼寧省のある新婚夫婦が、無料のAI(人工知能)で結婚写真を作り、ネット上で話題になった。
夫婦は当初、旅行先でプロに結婚写真を撮ってもらう予定だった。しかし、撮影に時間を取られることなどを理由に中止。代わりにスマートフォンで撮った写真をAIに読み込ませ、わずか3時間ほどで結婚写真や電子招待状、会場の歓迎パネルまで完成させた。
しかも、歓迎パネルにはAIのロゴがそのまま残っていた。
夫は「結婚式はもともとシンプルにするつもりだった。妻に化粧をしてもらい、会場であいさつしたら、あとは食事をするだけ」と語る。
こうした「極簡婚礼(シンプル婚)」は、中国の若者の間で広がっている。
別の女性も、司会者や豪華な会場装飾を省き、伝統的な儀式をわずか10分間に短縮。約20万円以上を節約し、そのお金を新婚旅行に回すという。
中国では昔から、結婚式は家族や親戚にとっても一大行事で、周囲に見劣りしないよう豪華にする風潮があった。しかし、長引く景気低迷のなか、若者たちの間では「他人に見せるための結婚式に、そこまでお金をかける必要があるのか」と考える人も増えている。
ネット上には「面倒な儀式を減らすのはいいこと」「全国に広めてほしい」と賛同する声が相次ぐ一方、「一生に一度の結婚写真までAIでは寂しい」という意見もある。
結婚式にお金をかけられなくなったのか。それとも、無駄な見栄を捨て始めたのか。
中国の若者たちが選ぶ小さな結婚式には、厳しい経済事情と、変わりゆく結婚観の両方が映し出されている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。