中国 弟探しのはずが、なぜか退職者まで

「生き別れの弟だ!」中国でそっくりさん騒動 撮影者は退職

2026/10/18
更新: 2026/10/17

世の中には、自分にそっくりな人が3人いるという。

では、その相手が有名俳優で、しかも幼い頃に生き別れた弟がいたとしたら? 中国で、そんなドラマのような偶然が大騒動に発展した。

発端は10月14日、福建省の工場で働く男性が、同僚の動画をネットに投稿したことだった。

映っていたのは、レーザー切断機を操作する47歳の工場労働者、陳祥祿さん。その顔が香港の人気俳優・陳小春(ジョーダン・チャン)にあまりにも似ていた。

顔立ちだけでなく、体格、歩き方、雰囲気までそっくり。しかも名字は同じ「陳」で、広東なまりまである。

ここまでは、よくある「芸能人のそっくりさん」の話だ。

ところが、ネット民がある事実に気づいた。

陳小春には、幼い頃、家が貧しくて養子に出された弟がいる。その弟の名前は「陳小祿」。今回の男性は「陳祥祿」。なんと名前にも同じ「祿」の字が入っていたのだ。

これにはネットも大興奮。

「弟では?」「早く再会させてあげて!」

俳優のSNSには確認を求めるコメントが殺到。いつの間にかネット民総出の「生き別れの弟探し」に発展した。

さらに「弟には梅の花の形をしたあざがある」という話まで飛び出した。

10月15日には関連する複数の話題が中国のSNSで検索ランキングの上位に入り、騒ぎはさらに過熱した。

たまらなくなったのは、当の本人だ。

陳祥祿さんは15日、ライブ配信で「私は47歳で、兄が2人、姉が1人いる。養子に出されたこともないし、そんなあざもない」と説明。「普通に仕事をして生活したいので、そっとしておいてほしい」と訴えた。

しかも、この騒動にはもう一人、思わぬ被害を受けた人物がいた。

最初に動画を撮った同僚だ。

動画を撮影した同僚によると、何気なく投稿した動画が予想外に拡散し、会社から削除を求められたという。勤務先は上場を控えた大事な時期で、騒動による圧力も大きく、自ら退職した。

有名俳優に似ていただけで、勝手に生き別れの弟にされ、あざの有無まで詮索され、最後は動画を撮った同僚が退職。

ネット民は感動の再会を期待したのかもしれないが、当事者たちにとっては迷惑千万。そっくりさんを見つけたという、たった一本の動画が、ここまで人の生活をかき乱すとは。

騒ぎを起こした大勢のネット民は、また次の話題へと移っていくのだろう。だが、職場を去った撮影者にとっては、笑い話では済まない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!