海外留学といえば、異文化を学び、視野を広げる貴重な機会。ところが、中国への留学には思わぬ危険が潜んでいるという。
習近平は9月の訪米中、今後5年間で米国の若者10万人を中国に招待すると表明した。しかし米国では、この計画に警戒の声が上がっている。
台湾大学の元客員研究員で、中国問題や米国の安全保障に詳しい評論家エリック・ドゥルネイカ(Erik Durneika)氏は、米政治専門紙「The Hill」への寄稿で、次の3つの危険を指摘した。
① 外交の「人質」にされる危険
中国では外国人の拘束や出国禁止が問題になっている。米中関係が悪化すれば、学生が外交交渉の駆け引きに利用される恐れがある。
② 政治的な洗脳
中国政府に都合のよい発展ぶりばかりを見せ、人権問題や言論統制などの実態を隠すことで、若者の中国観を誘導する恐れがある。
③ 先端技術の流出
米国の大学で科学や工学を学ぶ学生を通じ、研究情報が中国側に渡り、軍事開発に利用される可能性がある。
こうした懸念が広がるなか、中国留学を選ぶ米国人は激減している。米中教育基金の報告によると、2019年の約1万1000人から、2026年には2000人未満に減少した。
米シンクタンク「大西洋評議会」の客員研究員アイザック・ストーン・フィッシュ氏も、中国で長年暮らし、中国文学を学んだ経験を持つが、「残念ながら、今の米国の若者には同じ道を勧められない」とXに投稿した。
その理由について、中国では以前より統制が厳しくなり、外国人への態度も友好的ではなくなったうえ、言論の自由も大幅に狭まったと説明している。
そんな中国離れが進むなか、習近平は米国の若者10万人を招こうとしている。単なる友好交流なのか。それとも、次世代の米国人を取り込もうとする長期的な戦略なのか。
少なくとも米国では、中国の「歓迎」を額面通りに受け取るべきではないとの警戒が強まっている。
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