隣の席の学生も、一緒に食事をする友人も、実は当局に情報を流す「密告者」かもしれない。中国の大学では、学生だけでなく教師の発言まで監視され、何気ない会話さえ当局に報告されるという。
台湾や香港からの留学生たちが、自由にものを言えない大学の実態を明かした。
米政府系メディア「ラジオ・フリー・アジア」(RFA)の取材に応じた南京中医薬大学の台湾人大学院生によると、教師から「クラスには学生や教師の発言を当局に報告する学生がいる。敏感な話題には気をつけて」と、ひそかに警告されたという。
こうした学生は「職業学生」と呼ばれる。普通に授業を受け、食堂で食事をし、時には不満も口にする。ほかの学生と見分けがつかず、誰が監視役なのかわからないという。
しかも、監視は授業中だけではない。一部の大学では、留学生に宿泊先や外出予定の報告を求め、交友関係や宗教活動まで把握しようとしていると報じられている。
今年5月には、浙江省の大学に通う香港人留学生も本紙の取材に対し、教師から政治的な話題を避けるよう注意され、学生や教師の発言を収集する人物がクラスにいると告げられたことを明かした。
中国では以前から、学生が教師や同級生の言動を当局に報告する制度があり、授業中の発言を理由に教師が職を失った事例も報じられている。
さらに、香港の大学にも中国の国家安全当局の関係者が身分を隠して入り込み、学生や教師を監視しているとの情報もある。
未来を担う若者たちを育てる場所で、なぜそこまでして彼らの言葉を監視する必要があるのだろうか。
誰が密告者かわからない。その不安こそが、人々に自ら口を閉ざさせる、最も効果的な監視なのかもしれない。
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