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中国崑崙山の仙人(21) 蜮


 薬の調剤が終わると、平先生が取ってきた「沈香屑」を入れ、薬団子をいくつか練り上げた。神医は村民たちに、その薬団子を「豚人」の口に詰め込んだが、何回試しても、彼は吐き出した。そして皆は一考を案じて、薬団子を豚の糞球の中に包み、彼の口を開かせ、一気に詰め込んだ。「豚人」は大声を上げながら、豚の糞と薬団子を呑み込んだ。

 約10分後、「豚人」は狂い始めた。彼は両目を丸く、大きく見開き、目は真っ赤に充血し、絶えず大声で叫んだが、その声は数キロ離れたところでも聞こえるようだった。約一時間経つと、彼は叫ばなくなった。神医はみんなに、「豚人」をひっくり返らせて、顔を下に向けさせた。しばらくすると、彼は口の中から続々と何かを吐き出した。吐き出されたものは丸くて黒く、ねばねばしたもので臭気が強く、みんな鼻を覆い、吐き気が止まらないほどだった。黒いものを吐き終わると、最後に一団の血を吐き出したが、その中に何かが揺れ動いているのが見えた。

 神医が急いで、出てきたと平先生に言うと、彼は走って陶壇子を血の中にあるそれに伏せ、中に入れた後、迅速に壇蓋を閉じた。血の中にあったため、様子ははっきり見えなかったが、そのものは足がなく、見た目はとても太いタウナギのようだった。

 この時、「豚人」はもう静かになっていた。神医は、もう治したので、彼を縛った縄を解いてもよいと言った。最初は、みんなまだ少し恐れていたが、彼が本当に静かになり、阿呆のようにぼんやりとし、話すこともなく動くこともしないのを見て、彼を解いた。「豚人」は、みんなを見て笑い、走ることもなく、叫ぶこともなく、とてもおとなしかった。神医は、彼はもう一人の普通のばかであって、これ以上治すことはできないと言い、彼を正常な人に治すことは不可能だと言った。

 村民たちはうなずきながら、本当に不思議であり、このように治してくれたのも幸運だったと言い、これから「豚人」が人を驚かせたり、害したりすることはなくなると言った。皆は相談して、「豚人」を池の中できれいに洗ったあと、彼の家族の元に戻らせ、家族に面倒を見てもらうことで合意した。

 そして、彼が吐き出したものは何だったのかと聞いた。神医は微笑みながら、回虫だが、汚いものをたくさん食べたので、回虫が大きくなって、怪物になったと話した。みんな何かがわかったかのようにうなずいた。そして、村民たちは帰り始めた。彼らは私たちに昼ごはんを誘ってきた。平先生は、神医に先に行くように示し、自分は他の用事があるので、後で行くと言った。神医はうなずいた。私は、先に行かない、平先生と一緒に行くと主張した。なぜなら、不思議な事を続けて見ることができると思ったからだ。

 (翻訳編集・柳小明)