北京国際空港で荷物を持って歩く乗客たち=2016年11月24日(Fred Dufour/AFP/Getty Images)

中国本土や香港、成人の2割が海外移住を希望 「政治情勢悪化も要因」

中国本土および香港における政治情勢や生活環境が悪化する中、成人の5人に1人が、今後2年以内に海外に移住することを検討しているという。移住先としては米国やカナダが上位に挙げられていることが新たな調査で明らかになった。

トロントを拠点とする非営利団体「ビビダタ(Vividata)」が実施したこの調査によると、移住を予定している中国・香港系住民のうち、1億3700万人が米国、6940万人がカナダ、5240万人が英国への移住を希望していることがわった。

ビビダタ社の代表であるラフル・セティ(Rahul Sethi)氏は米政府系放送ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、「米国への移民希望者はカナダの2倍だが、米の総人口はカナダの約9倍であり、カナダが移民にとって魅力的な国であることは確かだ」と述べた。

セティ氏によると、中国や香港の人々がカナダへの移民を希望する理由は、自然環境や教育の良さなど様々だが、母国の不安定な政治状況も要因の一つであることは間違いない。例えば、香港人の多くは「安全」を理由に挙げ、中国人の多くは「安定した政治環境」を重要視しているという。

また、カナダへの移住を希望する香港人の28%はカナダの公共サービスが気に入っており、19%がカナダはより安全な場所だと考え、16%が政治的安定性を重視している。中国本土からカナダに移住した理由のトップ3は、「新生活を送りたい(17%)」「気候が良い(17%)」「政治的安定(16%)」であるという。

カナダの移民コンサルタントである黄天楽氏はRFAに、「カナダは常に世界で最も人気のある移民先の一つである。この2年間で、中国本土や香港からのお客様が増えているが、その多くは、母国の政治環境の変化に対する懸念を理由に挙げている」と語った。

いっぽう、 中国政府が香港の統制を強める「香港国家安全維持法」が施行されて1年後には、香港の政治環境が急激に悪化し、新たな移民ブームが起こっている。

香港紙「明報」が5日、香港移民局が提供した出入国記録の数字をもとに、昨年1年間に、香港の空港から出国した香港人は10万9千人近くに上り、香港の総人口750万人の約1.45%を占めていると報じた。

英国政府は、5年以内に約30万人の香港人が英国に移住すると予想している。

(翻訳編集・王君宜)