中国 展示車はなぜ動いた?!

「子供のせい?」 中国商業施設で展示車が暴走【動画あり】

2025/12/29
更新: 2025/12/29

12月27日夜、中国・広東省中山市の大型商業施設、万象汇(Mixc One)で、展示されていた自動車が突然動き出し、隣接する携帯ショップに突っ込む事故が起きた。現場の様子を捉えた動画が拡散され、注目を集めている。

突然動き出した展示車はそのまま携帯ショップの店内へ入り、展示台をなぎ倒して壁に衝突して停止した。店員は異変に気づき、とっさに避難したため、けが人はいなかったが、店舗は大きな被害を受け、営業停止を余儀なくされた。

事故後、車内から一人の子どもが降りてくる様子が映っており、展示を担当していた自動車メーカー側は「子どもが車に乗り込み、操作を誤った」と説明した。展示車は通常、走行できない設定になっているが、「当時、展示モードが解除されていた可能性がある」としている。

さらに担当者は、「子どもが自分で車に乗った。子どもであっても来場者であり、止める権限はない」と発言した。

こうした説明に対し、中国のネット上では反発が広がった。

「安全対策が不十分だっただけではないか」「責任を子どもに押しつけている」といった批判が相次ぎ、展示車の管理体制そのものに疑問が投げかけられている。

なかには、「まるで子どもに車を壊させ、親に買わせるつもりだったのではないか」という疑念まで飛び出した。

余談だが、中国のショート動画プラットフォームでは、こうした話を題材にした再現動画や体験談が少なくない。高価な商品を売るため、子どもに触らせて壊させ、結果として親が購入せざるを得なくなるという内容である。事実かどうかは別として、こうした動画が広く出回っているからこそ、「まさか同じ発想ではないか」という疑いが自然に生まれたとも言える。

日本では思いつきにくい発想だが、中国の消費社会を知る人々にとっては、決して荒唐無稽とは受け止められていない。

いずれにしても今回の事故では、展示車が簡単に動き出す状態だったのか、なぜ無人のまま子どもが操作できたのかなど、多くの疑問が残されている。事故の責任の所在は、なお不透明なままである。

 

(当時の様子)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!