米国人の寿司に対する関心が一段と高まり、日本の寿司関連企業に新たな商機が生まれている。持ち帰り寿司チェーン大手「ちよだ鮨」は、関税の影響にもかかわらず、今年春から冷凍寿司を米国に輸出し、現地のスーパーや小売店で販売を開始する。
米国では寿司需要の急増により寿司職人が不足しており、解凍後すぐに食べられる冷凍寿司は、同社にとって米国市場を開拓する好機となる。ちよだ鮨は、日本国内で広く知られる低価格帯の持ち帰り寿司チェーンである。
日本経済新聞の報道によると、ちよだ鮨は3月にも東京都内の工場で冷凍寿司の生産を開始する計画だ。同工場には冷凍庫が3基設置され、敷地面積は約215平方メートル。1日当たりの生産能力は約2万個に達する。米国向け輸出にあたり、同社は米国の小売業者が求める国際的に認知された食品安全管理認証「FSSC22000」の取得も進める方針だ。
販売先としては、カリフォルニア州に本拠を置く日系スーパーマーケットチェーン「ミツワ・マーケットプレイス」が見込まれている。初期段階では、カニカマ、アボカド、キュウリを用いたカリフォルニアロールを製造し、東京都に拠点を置く冷凍食品流通スタートアップDayBreakを通じて配送する。
同社によれば、冷凍寿司は特別な技術を必要とせず、6〜7時間解凍するだけで冷蔵商品として販売可能だという。
ちよだ鮨の幹部は、関税やその他のコストがあるにもかかわらず、米国の小売業者は日本の寿司販売に前向きだと指摘する。価格は、8貫入りの寿司セットを20ドル未満、巻き寿司は10〜12ドルを想定した。
米国で現地生産される巻き寿司の価格が16〜18ドルであるのに対し、競争力のある水準となる。日本国内では、同社の8貫入り寿司は1千円未満で販売されている。
農林水産省によると、現在、北米にはラーメン店などを含む和食店が2万9400店あり、過去10年間で17%増加した。和食人気の高まりを背景に、手軽な食事として持ち帰り寿司を選ぶ消費者も増えている。
英調査会社ユーロモニター・インターナショナルは、寿司を含む米国外食・テイクアウト市場の規模が、2024年の1294億ドルから2029年には24%拡大すると予測している。
日本貿易振興機構(JETRO)ロサンゼルス事務所によると、「寿司は米国の東西両海岸地域では日常食となっており、昼食や夕食の付け合わせとして持ち帰り寿司を購入する人が多い」と語る。
その上で、「米国ではインフレを背景に、外食を控え、店舗で調理済み食品を購入する傾向が強まっており、ちよだ鮨の新事業もその流れの恩恵を受ける」との見方を示した。
米大手小売りのクローガーは、多くの店舗内に寿司売り場を設置しているほか、日本の外食大手ゼンショーホールディングスも、北米の持ち帰り寿司店運営会社2社を買収し、スーパー内寿司店の拡大を進めている。
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