米がグリーンランド恒久使用権 NATOとEU 北極防衛を強化

2026/01/24
更新: 2026/01/24

トランプ米大統領は、NATOとの間で合意した協定により、米国がグリーンランドを「完全かつ永久的」に使用する権利を得たと述べた。NATO首脳らは、ロシアおよび中国共産党(中共)からの脅威に対抗するため、加盟各国が北極地域の安全保障への関与を強化する必要があるとの認識を示している。欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長も、北極への投資を拡大し、米国や他のパートナーとの協力を深化させる考えを示した。

トランプ氏は21日と22日、ダボス世界経済フォーラムに出席し、NATOのルッテ事務総長と、グリーンランドおよび北極地域に関わる協定の枠組みについて合意した。

帰国前、トランプ氏は記者団に対し、この協定には期限がなく、米国がグリーンランドでさまざまな活動を行うことを認める内容で、米欧双方にとって利益となると語った。

トランプ氏は「我々はNATOとともにこの計画を進める。内容の一部はNATOと協力して行う。それが正しいやり方だ。『ゴールデン・ドーム』を建設する以外に、追加の支出はない。我々はゴールデン・ドームを建設し、そこには関係者が参加する。つまり、費用面でも協力が行われるということだ」と述べた。

また、トランプ氏は、およそ2週間後には、グリーンランド計画の結果を公表できるとの見通しを示した。

NATOのルッテ事務総長は、協定に含まれる追加的な安全保障上の要件の詳細について、現在はNATOの上級指揮官が対応しており、すべての加盟国がこの取り組みに参加する意思を持っていると説明した。

ルッテ氏は「これはNATOの上級指揮官の指導の下、7つの北極諸国と連携しながら、日々積極的に進められている。意見は完全に一致しており、分歧はない」と述べた。

一方、ルッテ氏は、ダボスでのトランプ氏との会談では鉱物資源の開発については議論しておらず、北極の島に関する具体的な交渉は、今後も米国、デンマーク、グリーンランドの三者で継続されると明らかにした。

ルッテ氏は「北極について言えば、トランプ氏は第1期政権の時から、航路が開かれつつあることを踏まえ、ロシアや中国に対抗するため、北極により多くの時間と労力を費やすべきだと述べてきた」と語った。

EUの指導者らは21日、北極防衛と米欧関係をテーマに記者会見を開いた。フォン・デア・ライエン委員長は、北極および北極の安全保障への投資を拡大する考えを示した。

フォン・デア・ライエン氏は「投資の他に、北極の安全保障をめぐって、米国およびすべてのパートナーとの協力を深めるつもりだ。特に国防支出が増加する中で、欧州の砕氷船など、北極対応能力を備えた装備への投資が必要だと考えており、地域内のパートナーと安全・防衛面での連携を強化したい」と述べた。

多くの首脳は、米国は依然としてEUにとって重要なパートナーであり、関係を維持する努力には価値があるとしつつ、ワシントン側にも敬意を示す姿勢が求められるとの認識を示している。

デンマークのラスムセン外相は23日、グリーンランド問題をめぐる今後の米国との協議について、「冷静なプロセス」が必要だと述べた。

ラスムセン氏は「前日、ワシントンで会合があり、これが我々の進むべき方向であることを改めて確認するとともに、今後どのように進めていくかについての計画を策定した」と語った。

分析によると、数十年にわたりNATOの枠組みの中で米国に防衛を依存してきた結果、EUは情報、輸送、ミサイル防衛、生産能力の面で依然として制約があり、ロシアによる攻撃に単独で対処するのは難しいとされる。このため、交渉において米国は重要な交渉材料を握っているとみられる。加えて、米国は欧州最大の貿易相手国でもあり、EUは米国の関税政策の影響を受けやすい立場にある。