アリサ・リウ選手の父 中国代表の可能性を否定 人権問題を理由に

2026/02/20
更新: 2026/02/20

フィギュアスケート金メダルに輝いたアリサ・リウ選手の父アーサー・リウ(劉建)氏は、中国共産党当局による人権侵害を理由に、娘が中国代表として競技に出場することは認めない考えを示した。自身が数十年前に中国から逃れた経験にも言及した。

劉氏は、1989年の天安門広場の中国民主化運動に参加したことで当局に追われ、1990年代に中国を離れた。現在20歳の娘は、父の生い立ちや抗議活動への参加、指名手配を受けて国外に逃れ、アメリカで政治難民として生活を再建した経緯に強い関心を持っているという。

劉氏は2月18日、ミラノで新唐人テレビに応じ「中共当局が依然として中国国民の基本的人権を侵害している以上、娘が中国代表として競技に出ることを認めることはできない」と述べた。

一方で「中国が民主主義国家となり、人権を尊重し、公正な法制度を備えるなら問題はない。私は中国を愛しているし、中国の人々を愛している」とも語った。

アリサ・リウ選手は13歳で全米選手権女子最年少優勝を果たし、2022年北京冬季五輪でアメリカ代表として五輪デビューした。一度は競技引退を表明した彼女は、復帰してミラノ・コルティナ冬季五輪でもアメリカ代表入りしている。

リウ選手は、フリースタイルスキーのアイリーン・グー選手と対照的な歩みを辿っている。グー選手はアメリカ生まれで、中国人の母を持つ。彼女は2019年、自身のルーツである母の母国・中国代表として競技することを決断した。これは米国内で再び議論を呼んだ。ヴァンス副大統領やアンディ・オグルズ下院議員らから批判も出ている。

劉建氏は、中国を離れた後も活動を続け、サンフランシスコの中共総領事館やワシントンの中共大使館前で抗議活動を行ってきたという。

劉氏は、「中国での人権侵害やウイグル人への迫害、政治的反体制派への弾圧について問題提起を続けてきた。人々に現状を知ってほしい」と話した。

同氏は、中共から監視されていると主張している。かつて親しくしていた人物が、後に中国のスパイだったと打ち明けたという。

また2022年北京五輪前には、米オリンピック・パラリンピック委員会関係者を名乗る人物から劉氏本人と娘のアリサ・リウ選手のパスポートの写しを求める連絡を受けたが、不審に思い拒否したと語った。

その後、FBIから連絡があり、中共が監視している可能性があるとして警戒を続けるよう助言を受けたという。

米司法省は2022年3月、中共批判者に対する越境弾圧に関与した疑いで5人を起訴した。アーサー・リウ氏もこれらスパイの標的の一人だった。

劉氏は「娘が五輪出場のため中国へ行くことに強い不安があった」と振り返った。

北京五輪でアリサ・リウ選手は女子シングル6位となり、その年の世界選手権では銅メダルを獲得した。

父親によると、競技復帰は娘自身の意思によるものだという。

「どのコーチにつくか、どんな音楽で滑るか、練習や食事の管理まで自分で決めている。今はスケートを心から楽しんでおり、親としてうれしく思う。幸せでいてほしい」と述べた。

2026年冬季五輪では、アリサ・リウ選手はフィギュア団体で金メダルを獲得した。2月19日の女子フリーでは、2002年のサラ・ヒューズ以来24年ぶりとなる米女子金メダルがかかる。

父親は、ミラノ・コルティナ五輪後も娘が競技を続ける可能性が高いとの見方を示した。

「続けるつもりだと感じている。彼女にはスケートの才能がある」と語った。

台湾在住のジャーナリスト。米国、中国、台湾のニュースを担当。台湾の国立清華大学で材料工学の修士号を取得。