「いちばん楽しい場所で、いちばん苦しいことをする」。
そんな発想から、中国の若者の間で広がっているのが「無痛学習法」だ。遊園地やジムを「自習室」代わりに使うという、一風変わった勉強スタイルである。
特に人気なのが 上海ディズニーリゾート だ。年パスを購入し、混雑を避けて入園。レストランの席やカフェのテーブルで参考書を広げる。疲れたらアトラクションに乗って気分転換し、また勉強に戻る。
年パスの価格はもちろん決して安くはない。それでも「気分が上がる場所なら勉強のストレスが減る」と考える若者が増えている。
SNSには、「どこの店が静かか」「コンセントはあるか」「人が少ない時間帯はいつか」といった情報が並ぶ。座り心地や明るさまで細かく紹介されている。ただし、本人たちも「効率が一番いいとは限らない」「交通費も含めるとコスパは微妙」と本音を漏らす。
背景にあるのは、中国の激しい受験競争だ。大学院入試、公務員試験、各種資格試験。常に「次の試験」に追われる生活が続く。少しでも気持ちを軽くしないと、心が持たない。
ジムで運動と勉強を組み合わせる人もいる。長時間の座りっぱなしを避け、集中力を保とうという工夫だ。商業施設側も、こうしたニーズを商機と見て、勉強しやすいスペースを整え始めている。
遊園地で勉強する光景は、日本ではまだ珍しい。しかしそこには、「努力は必要。でも、できれば苦しくない形で続けたい」という若者たちの切実な願いがにじんでいる。
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