国連で進行する「沖縄主権剥奪」

2026/02/26
更新: 2026/02/26

2026年2月16日、ニューヨーク国連本部で開催された脱植民地化特別委員会(C-24)において、日本の主権を削り取る「複合法律戦(Lawfare)」が始動した。日本沖縄政策研究フォーラム(理事長:仲村覚氏)が作成した報告書によれば、これはミサイルを使わない「見えない戦争」であり、平和的で形式的な「国連の事務手続き」を隠れ蓑にして、沖縄を日本から切り離すための「法的包囲網」が完成しつつあるという。

武器としての「定義の書き換え」 

報告書は、この戦争における最大の武器は「言葉の定義の書き換え」であると警告する。国連の会議内で繰り返される「あらゆる形態および現れ(all its forms and manifestations)」という言葉には、国際法上の固定された定義が存在しない。この「定義の空白」により、C-24委員会は多数決で主観的に「何が植民地か」を決定できるようになる。 その結果、工作側の拡大解釈により、沖縄の米軍基地の存在は「軍事的植民地主義」、国庫からの振興策は「経済的植民地主義」、さらには標準語教育までもが「文化的植民地主義」へとすり替えられる危険性を孕んでいるという。

国連会議室での実録:進行する「沖縄主権剥奪」のタイムライン

2026年2月16日、ニューヨーク国連本部で開催された脱植民地化特別委員会(C-24)第1回本会議は、一見すると単なる事務的な会合に過ぎないように見える。しかし、その逐語記録を追うと、用意周到に組まれた「沖縄切り離し」のシナリオが、各国の発言を通じてリレー形式で進行していく実態が浮かび上がる。会議の概要は以下の通りである。

開会と「あらゆる形態」の強調(事務局)

 会議は国連事務総長のメッセージ代読から始まった。そこでは「脱植民地化は国連創設当初からの目的」と語られ、前年12月に制定されたばかりの「あらゆる形態および現れにおける植民地主義に反対する初の国際デー」が強調された。この冒頭のメッセージが、「17のリスト」という従来の枠組みを超えた介入を正当化する土台となった。

国連の脱植民地化特別委員会(C-24)には、介入対象(植民地)として公式に登録・限定された「17の非自治地域」のリストが存在する。日本政府はこれまで、「この17のリストに日本は含まれていないため、日本に植民地は存在しない」という形式的な定義を最大の防衛線(盾)としてきた。

しかし、今回のC-24会議において、この大前提は根底から覆された。

議長就任演説:日本政府の排除(セントルシア代表) 

満場一致で議長に再選されたセントルシア代表のランバリー閣下は、今後の課題として「地域自身(territories themselves)との対話」が不可欠であると宣言した。これは、施政国である国家(日本政府)を通さずに、国連が独立派活動家などの「地域自身」と直接交渉するルートを確立するという事実上の「頭越しの外交」の宣言であった。

セミナー開催承認と「専門家」の動員(ニカラグア代表) 

続いて、2026年5月にニカラグアのマナグアで地域セミナーを開催することが正式に承認された。これを受けニカラグア代表は、植民地主義根絶のための不可欠な道具として「専門家(experts)」の参加を明言した。この「専門家」とは中立な学者ではなく、日本を侵略者と呼ぶ反日活動家のことであり、彼らを国連公費で招き、その主張を「公式記録」として捏造する舞台装置がここで完成した。

「隠語」の特定と恫喝(ベネズエラ代表) 

「国連憲章を守る友人のグループ」を代表して発言したベネズエラは、既存の17のリストにない「その他の人々(沖縄など)」への連帯を表明し、「新たに浮上しつつある植民地状況(newly emerging colonial situations)」を特定するよう委員会に要求した。さらに、同年6月に新決議案を提出する意向を示した上で、自決権を阻む者には「異なるシナリオ(different scenarios)を検討する準備がある」と述べ、法的・外交的強硬手段を用いることへの恫喝を行った。

このように、わずか1時間弱の議事進行の中で、議長や加盟国の発言を巧みに繋ぎ合わせることで、日本政府の防衛線を突破し、沖縄を「非自治地域」として登録するための実務的な包囲網が次々と構築されていったのである。

防波堤の決壊と「5つの毒針」 

これまで日本政府は、「国連が定義した17の非自治地域リストに日本は入っていない」という形式的な定義を盾にしてきた。しかし、今回の会議でその前提は覆された。報告書は、一見平和的に見える言葉の裏に仕掛けられた「5つの法的毒針」を指摘している。

  1. 「17のリスト」の防壁破壊:ベネズエラ代表などが「リストの枠を超えて(Beyond the list)」と連呼し、リスト外である沖縄へ介入する法的余地を無理やり創出した。
  2. 沖縄を指す「隠語」の特定:「新たに浮上しつつある植民地状況(Newly emerging situations)」という固有名詞を避けた表現を用い、事務局に沖縄を調査対象とする実務的根拠を与えた。
  3. 日本政府の頭越し外交:議長は、施政国(日本)ではなく「地域自身(territories themselves)」と直接対話することが不可欠だと宣言した。これは日本政府を排除し、独立派活動家などを交渉相手に格上げする危険なロジックである。
  4. 工作員の動員:植民地主義根絶のための不可欠な道具として「専門家(Experts)」が挙げられたが、実態は日本を侵略者と呼ぶ反日活動家のことであり、彼らの証言を国連公式記録として固定化する狙いがある。
  5. 抵抗を許さない恫喝:日本が法的に反論した場合、「異なるシナリオ(different scenarios)」を検討する準備があるとし、多数決による強行採択などの外交的圧力を加えるという事実上の宣戦布告を行った。

正義感を操る「心理的ハック」:なぜ国連は加担するのか

ここで一つの疑問が生じる。なぜ、このような明白なルールの悪用や虚偽のナラティブが、国連の委員会でやすやすと罷り通ってしまうのだろうか。報告書は、その背景にC-24加盟国に対する巧妙な「心理的ハック」があると指摘している。

C-24を構成するアフリカやカリブ海諸国の多くは、過去に欧米列強から惨烈な植民地支配を受け、搾取された歴史的トラウマを抱えている。中国を中心とした勢力や独立派活動家たちは、これら諸国が持つ「反植民地・反帝国主義」という純粋な正義感を標的にしているのである。

「日本という先進国が、一部の人々(沖縄県民)を犠牲にして軍事拠点を維持している」という歪められた物語を提示されると、C-24の加盟国はそれを自国の悲劇の再来と誤解してしまう。彼らは必ずしも「日本を攻撃してやろう」という悪意を持っているわけではなく、「虐げられた人々を救わなければならない」という善意から、無自覚に沖縄切り離し工作に加担してしまうのだ。

このように、当事者たちの歴史的な痛みや正義感を「武器」として悪用する心理戦が組み込まれているからこそ、この複合法律戦は極めて厄介なのであるという。

主権喪失へのカウントダウンと日本の取るべき対策 

工作側は緻密な3段階のシナリオを描いている。まず、2026年5月のニカラグア・セミナーで活動家を「琉球の代表」として証言させ既成事実化を図る(フェーズ 1)。次に、6月のNY本会議で新決議案により沖縄を非自治地域として登録する(フェーズ 2)。そして最終的には、リスト入りを根拠に国際社会が日本に対して「自決権(独立)住民投票」の実施を強要する(フェーズ 3)というものである。

この「言葉による暴力」に対して沈黙すれば、国連の事務手続きシステムが自動的に日本の主権を解体していく。報告書は、日本が取るべき緊急対策として以下の3点を提言している。

第一に、公の場で隠語の標的が沖縄であることを指摘し、定義の濫用を断固として拒絶すること。 

第二に、沖縄の自治体が国連宛てに「活動家は我々の代表ではない」とする公式書簡を送付し、ナラティブを否定すること。 

第三に、5月のニカラグア・セミナーに本物の専門家や県民を送り込み、現場で虚偽のナラティブを覆して議事録に残すことである。

日本の主権を守るための防衛戦は、すでに国連の会議室で始まっている。「定義がない」ことを悪用した認知戦の実態を把握し、国家として速やかに反撃の狼煙を上げる必要があるだろう。

▶大紀元EPOCH TIMES JAPAN編集長 ▶「日本の思想リーダーズ」番組ナビゲーター 、「大紀元ライブ」番組ホスト。