中国 街は多重検問 ネットでは投稿削除

中国「両会」期間中 北京で異常警戒敷かれる

2026/03/06
更新: 2026/03/06

中国で年に一度開かれる最大の政治イベント「両会」(全国人民代表大会と政治協商会議)が3月4日に首都・北京で開幕した。

国家の方針や経済目標を決定する重要会議であるが、その一方で首都では異例ともいえる厳戒態勢と言論統制が敷かれている。天安門周辺では幾重もの検問が設けられ、観光客であっても身分証の提示や手荷物検査を受けなければ通行できない状況だ。

 

北京の人民大会堂付近で警備に当たる武装警察の隊員。2026年3月5日。(Pedro PARDO/AFP via Getty Images)

 

検査の内容も極めて厳格だ。リュックサックのポケットを一つひとつ確認し、メモ帳の内容や薬の箱の表示に至るまでチェックを行う。さらにスマートフォンのケースを外して内部を確認する検査も実施しており、わずか1キロ余りの距離を移動するのに40分以上を要することもある。

同時に、インターネット上の言論統制も一段と強化している。中国のメッセージアプリ「微信(ウィーチャット)」では、政府人事や政治問題に言及しただけで記事が削除され、アカウントが凍結される事例が相次いだ。

地方政府の人事を紹介した記事や、社会問題を扱った投稿までもが表示制限を受けたと、複数の運営者が明らかにしている。

 

中国でSNSの言論管理が強化され、複数の微信(ウィーチャット)公式アカウントが閉鎖されたとする投稿画面(ネット画像)

 

さらに北京では、地方で解決されなかった問題を中央政府に直接訴えようと集まる陳情者の排除も進めている。郊外の住宅地に集まっていた陳情者の拠点を摘発し、約500人を拘束したうえで地元へ強制送還したとの情報もある。

  

当局による取り締まりが強まる中、北京に集まった陳情者が各地へ強制送還されている(映像よりスクリーンショット/大紀元合成)

 

共産党の重要会議の開催の陰で、首都は厳重な警備と高度な情報統制に包まれている。街には緊張感が漂い、重苦しい空気が広がる。こうした光景は毎年のように繰り返されてきた。

全国人民代表大会という「人民を代表する」とされる会議の期間中、皮肉にも人民の声は厳しく排除されているのが現状だ。そこには、共産主義中国の根深い矛盾が浮かび上がっている。

 

北京の人民大会堂近くの道路で、交通整理をする警察官。2026年3月5日(Pedro PARDO/AFP via Getty Images)
北京の人民大会堂近くの通りを巡回する警察官。2026年3月5日(Pedro PARDO/AFP via Getty Images)
李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!