カナダのカーニー首相は最近、習近平と初めて会談した際、習から問題があれば私的に話し合い、公開の場では言及したり、「説教」したりしないようにと求められたと明らかにした。専門家は、中共指導者が自らの「英明な指導者像」をこれほどまでに守ろうとする姿は「まさに奇観だ」と指摘している。
カーニー首相は4日、オーストラリアのシンクタンク、ローウィー研究所での講演で、昨年11月のAPEC首脳会議の際に行った習近平との初会談について語った。
カーニー氏によると、習近平は会談冒頭の約10分間、自身が望む指導者同士の付き合い方について繰り返し説明したという。
カーニー氏のまとめによれば、習近平の要望は主に三点だった。第一に、突然問題を持ち出さないこと。もし本当に問題があるなら、事前に明確に伝えること。第二に、公開の場で「説教」しないこと。第三に、公開の場で自分に指示するようなことは控え、問題があれば直接話すこと、というものだった。
習近平は、西側諸国の指導者が中共の人権問題を持ち出すことを、自分に対する「説教」と受け止めている。
カーニー氏は今年1月に中国を訪問した。双方は貿易協定に合意し、その中にはカナダが優遇関税で年間最大4万9000台の中国製EVを輸入することなどが含まれている。しかし、この合意は国内で大きな議論を呼んだ。
先月、カナダ議会で行われた公聴会では、中共によって3年近く不当に拘束された元外交官マイケル・コブリグ氏が証言し、中共が経済的利益を利用してカナダに圧力をかけ、人権問題への批判を沈黙させようとする可能性に警戒すべきだと訴えた。
カーニー氏の発言が伝えられると、X上ではさまざまな反応が寄せられた。
「カーニー氏がこうして公に語った時点で、習近平への公開説教になっている」
「中共が最も好む外交官はキッシンジャー氏だ。ニクソン(元米大統領)が展開した『秘密外交』こそ、共産党が最も好むスタイルだ」
「逆に言えば、『包子(習近平の蔑称)』の外交能力が低く、公の場で恥をかくのを恐れている証拠だ。相手が嫌がるなら、それこそ徹底的にやるべきで、彼の脚本に乗る必要はない」
「習近平は他人に自分の悪口を言わせない。中国本土であれば、(悪口を言えば)即座に捕まるだけのことだ」
「言っても無駄だ。民主主義国家ではなんでも言ってしまうから」
さらに、一部の人々は3年前の出来事にも言及した。2022年11月、G20サミットの際、当時のトルドー首相が習近平との会談で人権問題を取り上げたことをメディアに明かした。
すると翌日、習近平はトルドー氏に直接不満を伝え、「われわれが話したことがすべて新聞に漏れてしまった。それは不適切だ」と述べたという。
台湾NGO華人民主書院の理事、曽建元氏は大紀元に対し、中共当局は巨額の資金を投じて習近平の英明な指導者像を作り上げる一方で、習を揶揄するあらゆる言動を取り締まっていると指摘した。
「人々が彼を批判すれば、命の危険や政治的な圧力に直面する可能性がある。国家のリソースを大量に投入して個人のイメージを守っている状況は、まさに奇観だ」と述べた。
曽氏はまた、西側諸国の政治家は習近平のメンツを立ててやる必要などまったくないと述べた。さもなければ、彼の罪を覆い隠す手助けをすることになり、共犯者になってしまうと指摘した。
中国民主党国際連盟の界立建主席も大紀元に対し、習近平が外国指導者に公開の場で批判しないよう求めること自体が外交上のスキャンダルだと語った。
同氏によると、人権問題こそが中共の弱点だ。共産党は耳を塞いで現実を見ないふりをしている。外国の指導者は中共の人権問題を公然と批判すべきであり、決して屈してはならない。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。