トランプ大統領の訪中を目前に控え、3月11日、米海軍のP-8A「ポセイドン」対潜哨戒機1機が台湾海峡を通過した。タイミングの敏感さが指摘されている。
米海軍第七艦隊は声明で、今回の任務は「自由で開かれたインド太平洋」へのコミットメントを示すものだと強調した。また米軍は国際法の範囲内で航行の自由を守っていると説明し、「米軍は国際法が許すあらゆる場所で飛行し、航行し、行動する」と述べた。
これに対し中国共産党(中共)当局は強い不満を表明した。中共国防省と国務院台湾事務弁公室は、台湾海峡に対する管轄権を主張し、台湾問題は米中関係における「越えてはならないレッドライン」だと改めて強調した。
今回の飛行は、3月31日から4月2日に予定されたトランプ氏の北京訪問を前に行われた。ロイターが外交関係者や業界アナリストの話として、中共はこの巨額発注の最終的な落着が、米側の台湾問題における立場に左右されることを示唆していると報じた。
関係者によれば、今回の訪中の主要議題の一つは貿易協議だ。中共当局は最大500機のボーイング 737 MAX型機と約100機のワイドボディ機の購入を検討しているという。合意が成立すれば、米中貿易赤字の是正と「アメリカ・ファースト」政策の実績として、トランプ政権にとって大きな外交成果と受け止められる可能性がある。
双方は貿易や技術規制の分野で関係の安定化を模索しているが、このタイミングでの台湾海峡通過は、アメリカの「叩きながら対話する」という二重戦略を示すものとみられる。すなわち、経済協力を模索する一方で、領土安全保障や地政学的原則では譲歩しない姿勢だ。
またトランプ氏は対中関係を処理する一方、対イラン軍事作戦も指導している。分析によれば、米軍がインド太平洋と中東の双方で存在感を示すことで、アメリカが複数の戦場で同時に抑止力を維持できることを中共当局に示す狙いがある。米軍によるイランへの強硬対応は、トランプ政権が武力行使も辞さない姿勢を示していることを意味し、台湾海峡を巡る中共の戦略判断に影響を与えるとの見方も出ている。
一方で中共は北朝鮮との関係強化を進めている。2025年の中朝貿易額は6年ぶりの高水準となった。さらに中共政権は、6年前から運休していた北京と平壌を結ぶ国際旅客列車を12日に再開すると発表した。ロイターは、中共政権が北朝鮮への影響力を改めて確立することで、米中首脳会談においてアメリカの圧力に対抗する重要な交渉カードとする狙いがあると分析している。
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