湾岸諸国がトランプに作戦継続要請 「イラン軍事力無力化まで」 ホルムズ危機

2026/03/17
更新: 2026/03/17

湾岸諸国がアメリカに「壮絶な怒り作戦」継続を強く要請。イランのミサイル・ドローン攻撃で石油施設壊滅危機、ホルムズ海峡通航激減。トランプ政権、連合軍参加促す中、地域防衛網形成へ。

中東の戦火がさらに拡大するなか、複数の湾岸諸国がアメリカに対し、「壮絶な怒り作戦」を早めに停止しないよう要請している。これらの諸国は、イランが石油運搬航路や地域経済を脅かす能力を完全に排除するまで、作戦を継続すべきだと訴えている。

関係筋によると、湾岸諸国はイランの軍事力を十分に削がないままでは、この地域が長期にわたりイランの威嚇にさらされると懸念しているという。

湾岸諸国 慎重姿勢から強硬転換 イラン攻撃でレッドライン突破

当初こそ戦争に慎重だった湾岸諸国であるが、イランがドバイ空港、各国外交官が常駐するラシード・ホテル(Al-Rasheed Hotel)、さらに複数の石油施設を攻撃したことを受け、態度を一変させて強硬姿勢に転じた。

サウジアラビアの「湾岸研究センター」議長アブドゥルアジズ・サーゲル氏(Abdulaziz Sager)はロイター通信に対し、「湾岸全域で『イランはすべての国に対してレッドラインを越えた』との認識が広がっている」と述べた。

同氏はさらに、「イランが湾岸諸国を直接攻撃し始めた時点で、それは完全に敵と見なされる」と強調し、「もしアメリカが任務完了前に撤退すれば、我々は自力でイランに対処せざるを得なくなる」と警告した。

現在もイランはミサイルや無人機による攻撃を繰り返し、湾岸6か国の空港、港湾、石油施設、商業拠点を標的にしている。その結果、世界の原油輸送の約5分の1が通過するホルムズ海峡の通航は深刻に妨げられ、2月28日から3月12日までの間に同海峡を通過できた船舶はわずか15隻にとどまった。

こうしたイランの攻撃は、長年にわたり湾岸諸国が築いてきた安定と安全のイメージを損ねた。この安定こそが、湾岸諸国が貿易や観光業の拡大、化石燃料依存からの脱却を進める基盤であった。

ある湾岸筋は、「現在、指導層の間では『トランプ大統領はイランの軍事力を徹底的に弱体化させるべきだ』という意見が主流になっている」と明かした。

過去にもイランおよびその地域同盟勢力は、湾岸のエネルギー施設への攻撃に関与したと非難してきた。代表的な例が2019年、サウジアラビアの主要石油施設2か所が無人機攻撃を受け、日量570万バレルの生産能力が失われた事件である。この際、サウジは備蓄原油を放出して供給を補わざるを得なかった。

トランプ大統領 湾岸に連合軍参戦圧力 統合防空網構築へ

同時にアメリカは湾岸諸国に対し、米国・イスラエル主導の連合軍への参加を求める圧力を強めている。3人の関係者によれば、アメリか側は湾岸諸国の協力姿勢を示すことで今回の軍事行動の国際的正当性を高め、国内支持を固めたい意向だという。

先週、ヘグセス米国防長官は、「湾岸の同盟国は関与をさらに強化しており、ワシントンと協力して統合防空システムの構築、さらには攻勢的行動も検討している」と述べた。ただし、各国が具体的にどのような行動を取るのかについては明言を避けた。

一方、トランプ大統領も各国に対し、イランが封鎖しているホルムズ海峡の再開に向けて連合を結成するよう強く呼びかけている。

各国は事態のエスカレートを避けようと慎重な姿勢を保っている一方で、サーゲル氏は「もしイランがさらなるレッドラインを越え、海水淡水化施設への攻撃や多数の死傷者を出すような事態となれば、湾岸諸国は介入せざるを得なくなるだろう」と警告した。

イラン国内動揺 市民は政権崩壊望む「トランプ・ダンス」流行

一方イラン国内では、亡命中のイラン人らが、「各地で犠牲者が出ているが、市民の多くは現政権の崩壊を望んでいる」と指摘している。

イラン系米国人アルミン・アサディ氏は米FOXニュースの取材に対し、「ミサイルの着弾地点から数ブロック離れた街角で、人々が歌い踊る光景を目にした。爆撃の最中に希望を見出そうとしているのだ。一見、狂気のようにも映るかもしれない」と語った。

同氏はさらに、「それほどまでに人々は絶望しており、だからこそアメリカに感謝している」と述べた。

アサディ氏によると、攻撃後イラン国内から発信される映像は少ないものの、入手した映像の中にはアメリカの軍事行動を支持する人々の姿が映っていたという。「アメリカに行ったことのないイラン人たちまでもが『トランプ・ダンス』を踊っている」と同氏は語った。

「犠牲者は出るだろう。だが同時に、感謝と希望を感じずにはいられない。47年ぶりにイランが自由を取り戻す可能性がある」とアサディ氏は述べた。「イランの人がこの戦争に反対しているなどという主張もできるだろう。しかし、反対しているのは政権であり、市民ではない。人々はこの行動を歓迎し、アメリカが立ち上がったことを神に感謝している」と強調した。

アメリカ軍は今回の作戦で、イラン各地のミサイルおよび無人機製造拠点を壊滅させたほか、前最高指導者アリ・ハメネイ師を含む多数のイラン高官が空爆で死亡したと発表した。

ホルムズ海峡の封鎖に対応するため、アメリカ軍は日本駐留の約5千人のアメリカ兵を強襲揚陸艦「トリポリ」(USS Tripoli)に乗せ、同海域に増派した。

陳霆