中東の戦火が続く中、偽情報や世論操作の問題が再び注目を集めている。イランの革命防衛隊は25日、米軍のF-18戦闘機「スーパーホーネット」を撃墜したと高らかに発表した。
しかしその後、米中央司令部がこれを否定し、イランが虚偽の情報を拡散していると指摘した。分析によると、真偽入り混じった情報が流布することで戦況の判断が難しくなり、情報環境がさらに混乱しているとされている。
米中央司令部(アメリカ中央軍)は25日、イランがチャー・バハール上空で米軍のF-18戦闘機を撃墜したとする主張について訂正を発表した。米中央司令部は、「現在までのところ、イランによって撃墜された米軍戦闘機は一機も確認されていない」と強調した。
また、イランが以前主張していた米軍のF-15戦闘機撃墜についても虚偽情報だと指摘した。拡散された写真は、何年も前に起きた別の航空事故の写真だったとしている。さらに先月には、イランがAIで作成した偽の衛星画像を使い、カタールにある米軍基地を破壊したと主張したケースもあった。
このような情報攻撃は繰り返し発生しており、情報戦が紛争の重要な要素になっていることを示している。
独立系の時事評論家で「遠見快評」のホスト唐靖遠氏は「主な目的は、自軍の士気を維持し、体制を立て直すことだ。同時に、虚偽情報を発信することで相手側の士気を削ぐ狙いもある」と語る。
一方で、メディアの立場も影響しているとの見方がある。
時事評論員李林一氏は「アメリカ国内の左派メディアを見ると、引用している情報源の多くがイラン関係者や湾岸諸国の匿名関係者だ。そしてトランプ氏に悲観的な見方を示し、停戦合意は成立しないという論調が多く見られる。イランにとっては体面を保つ方法がほとんどなく、AIで作った情報などを使って心理戦を仕掛けている可能性がある」と語った。
さらに分析では、こうした虚偽情報戦は国際世論の形成にも影響を与える可能性があり、その背後で中国やロシアが影響力を及ぼしている可能性も指摘されていいる。ただし、現時点では多くが観察や推測の段階にとどまっているとの見方もある。
唐氏は次のように述べた。
「イラン戦争が始まって以来、中国本土では中国共産党の党メディアの主導の下、世論は全面的にイラン支持へと傾いている。報道ではイランが連戦連勝し、アメリカやイスラエルが連続して敗退し、戦争の泥沼にはまっているかのように描かれている。しかし実際の状況は大きく歪められ、完全に逆転して伝えられている」
李氏も「中国国内では、米軍の損害を強調する情報ばかりが大きく報じられ、それ以外の情報はあまり報道されていない」と指摘した。
真偽の判別が難しい情報環境は、人々の戦況理解を左右し、国際社会の判断にも影響を与えている。事実確認の強化や、AIが生成した情報を見分ける能力の向上は、世界共通の課題となった。ある意味で、情報戦の行方は現実の戦場の外側で、今後の情勢を左右する重要な要素になりつつある。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。