中共外交部 「米国での中国人博士の自殺」を反米宣伝に利用か 物議呼ぶ

2026/03/31
更新: 2026/03/31

最近、中国共産党外交部と中国中央電視台(CCTV)が記者会見で掛け合いのようなやり取りを行い、米国に留学していた中国人博士研究員が米国の法執行機関による事情聴取を受けた後に自殺したと主張したうえで、米国が国家安全の概念を拡大していると批判した。この発言をめぐり、「虚偽情報を作り出して反米感情を煽っているのではないか」との疑問が広がっている。

3月27日、林剣報道官が定例記者会見を主宰した。CCTVの記者は「把握しているところによると、最近、中国人の博士研究員が米国の法執行機関による事情聴取を受けた後、翌日に不幸にも自殺した。外交部としてどのようにコメントするか」と質問した。

これに対し林剣報道官は「すでに米側に厳正な申し入れを行った」「米側にこの事件の徹底的な調査を求める」と述べ「米国は在米中国人留学生や研究者に対する差別的な法執行を停止し、冤罪をでっち上げる行為をやめるべきだ」と主張した。さらに、「米国は国家安全の概念を拡大解釈し、政治的操作を行い、中国人留学生や研究者を不当に取り調べて嫌がらせをしている。これは中国国民の正当な権益を侵害し、米中の人的交流の正常な雰囲気を破壊している」と批判した。

同日、CCTVは「外交部:米国に対し、中国人博士研究員が事情聴取後に自殺した事件の徹底調査を求める」と題する報道を行い、「記者の質問に答えた」と伝えた。

しかし中国本土のネットユーザーの間では疑問の声が相次いでいる。
「記者とはどのメディアの記者なのか?」「把握しているとはどの情報源なのか?」「“最近”とは具体的にいつなのか?」といった基本的な情報が欠けていると指摘されている。

さらにネット上では、
「どんな学術背景の博士研究員なのか」「なぜ米国へ行ったのか」「どの法執行機関が事情聴取したのか」「どのくらいの時間取り調べられたのか」「取り調べ後は自由だったのか」「どこで、どのような形で自殺したのか」など、事件の基本情報が全く示されていないとの批判が上がっている。

また、「ニュースなら時間・場所・人物・経緯・結果といった基本要素が必要だが、この報道にはそれがない」と疑問視する声も多い。

あるネットユーザーは「その日の午後に突然このニュースが出てきて驚いたが、経緯を知ろうとしても他の報道が全く見つからない」とコメント。
「海外メディアも報じておらず、中国メディアの記事を転載しているだけで非常に不自然だ」という声もある。

さらに一部のネットユーザーは、これは中国当局が作り出した情報で、国内の反米感情を煽るためのものではないかと推測している。

「海外には報道がなく、中国だけの独占ニュース。多くの場合、こういうものは捏造か情報の継ぎはぎだ」「原因や人物背景、時間や場所など何も確認できない。単に反米感情を刺激するためのニュースに見える」「要するに米国が全部悪いとだけ思わせたいのだろう」
といった書き込みも見られる。

最近、米国がイラン政権への圧力を強めていることで中国共産党は強い危機感を抱いているとされる。中国の党系メディアはイラン発の未確認情報を繰り返し転載し、国内世論に影響を与え、反米感情を煽っているとの指摘も出ている。