万博EVバス転用断念 補助金返還へ 安全性懸念で国が厳格対応

2026/04/03
更新: 2026/04/03

大阪・関西万博で来場者輸送に使用した「EVモーターズ・ジャパン」製の電気自動車(EV)バスをめぐり、トラブルが相次ぎ安全性が確保できなかった問題で、国土交通省と環境省は補助金の返還を求める方針を固めた。共同通信などが報じた。

導入を担った大阪メトロは、閉幕後の通常路線への転用を断念した。国の支援を受けた事業を計画通り継続できないことに対し、厳格な対応を示した形だ。また、巨額の税金を投入した同バスの導入をめぐっては、選定経緯の不透明さを指摘されている。

ABEMA TIMESによると、大阪メトロは万博開催を機にEVバスを導入し、閉幕後も市内を走るモビリティーバスとして運用する計画だった。しかし、万博開催中から走行中の停止やドアの不具合、ブレーキ系統のトラブルなどが相次いで発生した。2025年9月に国土交通省の指示により全317台を対象に総点検を実施し、同年10月にその結果として113台で不具合が明らかになった。その後も安全性への懸念は解消せず、大阪メトロは「お客さまの安全・安心を最優先にするため」として、2026年3月31日に計190台のEVバスの転用断念を正式に発表した。

この事態を受け、金子恭之国土交通相は2026年4月3日の記者会見で、大阪メトロに対し車両購入費として交付した補助金約6億円の返還を求める方針を明らかにした。環境省も同様に返還を求める方針である。国の補助金を受けた事業が計画通りに遂行しなかったことに対し、厳しい姿勢が浮き彫りとなった。

EVバス導入をめぐっては、その経緯が不透明だという指摘が出ている。バスの購入費用は総額で約75億1500万円。そのうち、国から約38億7千万円、大阪府と大阪市から約4億8千万円を拠出しており、費用の半分以上が公的な補助金で賄われている。この制度では、1台あたり最大で3千万円以上の補助金が支給される仕組みになっていた。

EVモーターズ・ジャパンは商用EV車の製造を中国でのOEMに委託した。輸入時の日本の保安基準の審査についても、「万博バス」として内定していたことにより審査が緩和されたのではないかと指摘している。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます