独に亡命の元新疆警察官 収容施設では「虐待や暴力が常態化」

2026/04/27
更新: 2026/04/27

中国共産党当局による新疆ウイグル自治区のウイグル人に対する人権侵害は、引き続き国際社会の注目を集めている。こうした中、最近、新疆で警察官を務めていた人物がドイツへ亡命した後、現地警察の内部の実態についてメディアに証言した。

ドイツ国際放送「ドイチェ・ヴェレ」の中国語版によると、この元警察官は「張亜博(仮名)」と名乗り、河南省出身で、新疆で18年間生活していた。そのうち10年間は、拘置所、警務室、いわゆる「リハビリ病院」などの機関で勤務していたという。

張さんは、新疆の警察では事件解決数ではなく、ウイグル族など少数民族をどれだけ拘束・収容施設に送致したかが評価基準になっていたと主張。再拘束も含め「送致数」を重視していたと証言した。

また、刑期を終えて出所・帰郷した住民についても再び当局の取り調べ対象となるケースが多く、過去の経歴から新たな「疑い」が掘り起こされ、再度の処罰につながると述べている。

さらに、罪に問われていない住民であっても自由は制限され、特定集会での自己紹介や監視状況の報告、歌唱などを強要する事例があったと証言。その後に短期拘留されることもあったという。

加えて、警察には毎週「テロ関連情報」の提出ノルマを課し、未達成の場合は叱責や減給、休暇剥奪といった処分を受ける仕組みだったと語っている。

張さんは、住民が一度動画を見たことがある、スカーフを一度着用した、あるいは健康のために一度バスケットボールをしたといった程度の行為でも、「潜在的暴力テロ分子」として作り上げられることがあると証言した。

2017~18年にかけて、張さんはホータン地区の「リハビリ病院」に派遣された。その施設は実質的な収容施設として機能し、虐待や拷問が常態化していたと証言。彼は収容者が処罰を受ける際の悲鳴を頻繁に耳にし、深刻な精神的外傷を負ったと述べている。

2023年9月、張さんは家族の世話を理由に警察を退職。昨年8月に、子供を伴ってヨーロッパへの団体旅行へ参加して出国し、ドイツ・ノイシュヴァンシュタイン城付近でツアー団から離脱、そのまま逃亡して自由を求めたという。

張さんは、自身が新疆に対して深い感情を持っていたからこそ沈黙を続けることはできなかったと語る。ドイチェ・ヴェレ記者に宛てた手記の中で彼は、「祖国を失ったが、魂を取り戻した」と記している。