日本の回転寿司チェーン「スシロー」は本国市場で長年、手軽な価格のカジュアル外食の代名詞として親しまれてきた。日中関係が最悪の水準に落ち込むなか、中国のSNSで拡散した動画をきっかけに、今や中国の若者がスシロー(寿司郎)の中国国内店舗へ続々と詰めかけている。
ブルームバーグが6月8日に報じたところによると、中国のあるスシロー店舗で食事を終えたグループが空皿を次々と積み上げ、その塔をどこまで高くできるかを競う様子を捉えた7秒の動画が、中国のSNS上で爆発的に拡散した。皿の数は60枚を超え、他の客が積み上げた塔は80枚以上に達するものもある。にぎり寿司、巻き寿司などを一度の食事でいかに多く平らげられるかを、中国の若者たちが競い合っている。
昨年11月に高市早苗首相が「台湾有事」に言及した後、中共が各種の「日本制限」措置を相次いで打ち出す中、スシローが12月6日に上海で2店舗をオープンした際は、開店前から約700組が行列を作り、14時間待ちの客も出た。
広州市や深セン市では、週末の順番待ちが200から500テーブルに上ることも珍しくない。人気商業地区では若い客が5時間待ちを強いられることもあり、転売業者やフリマアプリを通じて順番取り代行に約30元を支払う客まで現れている。
ブルームバーグは、スシローの人気の一因として価格の手頃さを挙げる。中国では景気の不透明感から消費者の財布のひもが固くなっており、経済はここ数年デフレ圧力にさらされている。
スシローの中国店舗のメニュー価格は1皿8元から28元(最安値で1ドル強)で、比較的リーズナブルな価格で本格的な日本式寿司を楽しみながら、珍しい料理や季節限定メニュー、期間限定商品を味わえることが支持されている。
「同種の寿司チェーンの中では価格が比較的手頃で、それでいてクオリティーが高い」と深セン在住の24歳、Danson Dengさんはブルームバーグに語った。同氏は週に約1回スシローを訪れ、1回の食事で25皿ほどを平らげ、支出は約200元という。特に気に入っているのは8元の季節限定フォアグラ牛肉寿司で、コストパフォーマンスは抜群だと言う。
同社はインタラクティブなゲーム企画で顧客の参加意欲も高めている。「Digiro」(Digital Sushiro Vision)と呼ばれるシステムでは、60元を消費するごとに抽選ゲームに参加でき、レストランのマスコット人形が当たるチャンスがある。マスコットはいずれも可愛らしい寿司テーマのキャラクターで、イクラや玉子など色鮮やかなネタをしっかり抱きしめた小さな手足が特徴だ。
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