「最初から仕組まれた罠だ」。中国で、地方当局による新たな金儲けの手口が明らかになった。
運転手と結託し、トラックをわざと当局の管轄へ誘導。待ち構えていた当局が冷凍食品を押収し、「持ち主不明」として競売にかけ、収入を得る手法だ。
狙われたのは、全国各地から運ばれてきた肉などの冷凍食品だった。中国メディアによると、この手口は河南省だけでなく、複数の自治体で確認している。
報道によると、手口はどの事件もほぼ共通していた。
まず、運転手が相場を大きく下回る運賃で運送を請け負い、本来の配送ルートを外れ、押収を行う地方当局の管轄へわざと向かう。すると当局へ通報が入り、市場監督管理局や警察が高速道路の出口でトラックを止め、「食品安全法違反の疑い」などを理由に冷凍食品を押収する。
荷主が返還を求めても応じられず、一定期間が過ぎると、当局は押収した食品を「持ち主不明」と判断。そのまま競売にかけ、売却代金を収入としていたという。
中国では不動産不況や景気低迷で地方政府の財政難が深刻化し、利益目的の取り締まりが各地で問題となっている。実際、交通違反がない場所に止めた車をレッカー車で違反区域へ移動させ、駐車違反の罰金を徴収するケースまで報じられるなど、日本人の感覚では理解し難い手法が横行してきた。
しかし今回は、その手口がさらにエスカレートした。交通違反の罰金徴収だけでは飽き足らず、今度は全国各地から運ばれてくる冷凍食品そのものを「獲物」とした。運転手を利用して自らの管轄へ誘い込み、押収した食品を競売にかけて収入を得るという、より大掛かりな仕組みへと発展していた。
ネット上では、この手法を「虹吸式執法(取り締まりを名目に利益を吸い上げる手法)」と呼び、「遠洋捕撈(他地域まで出向いて企業を狙い、罰金などを取る利益目的の取り締まり)」を上回る悪質な手口だとの批判が広がっている。
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