「ここはタイ 北京ではない」 中国資本の越境汚染に抗議 タイの大使館前デモ

2026/07/10
更新: 2026/07/10

タイ国内で、中国資本企業による越境環境汚染への反発が強まっている。今月8日、首都バンコクでは複数の市民団体が中国大使館前で抗議活動を展開し、中国資本企業による環境汚染の責任追及を求めた。

交流サイト(SNS)「X(旧ツイッター)」には、抗議デモの様子を撮影した複数の動画が投稿され、中国共産党の習近平の肖像入りマスクを着用した参加者らが中国大使館前を行進する様子が確認された。

また、一部の参加者は「ここはタイであり、天安門ではない」と中国語で記したプラカードを掲げた。1989年の天安門事件を想起させる文言で、今月6日にチェンマイの中国総領事館前で抗議者に対してタイ警察が実力行使に及び、負傷者が出たことを批判した。

タイメディア「タイガー」によると、抗議活動はタイ最大級の環境・人権NGOネットワーク「開発NGO調整委員会」が複数の市民団体と共同で呼び掛けた。

参加者らは中国大使館前で、汚染された河川から採取した水をタイとミャンマーの地図上に注ぐパフォーマンスを実施。コック川やサイ川、ロック川に加え、メコン川流域で深刻化する環境汚染の実態を訴えた。

「開発NGO調整委員会」のレルサック・カムコンサック会長は、中共政権に対し、中国資本企業がミャンマーで進める鉱山開発による越境汚染や、「一帯一路」構想に伴う環境問題について責任を果たすよう求めた。

当日は中国大使館の門は閉ざされたままだったが、現場には多数の報道陣が詰め掛けた。

警備を担当したタイ警察のソンサック・トンミー警察官は、適切な群衆管理措置を講じたと説明し、「抗議活動は衝突なく平和裏に終了した」と述べた。

今回の中国大使館前での抗議は、数日前にチェンマイの中国総領事館前で発生した警察との衝突を受けて実施された。

報道によると、今月6日には「コック川・サイ川・ロック川・メコン川を守る市民ネットワーク」が主催する抗議活動が行われ、約30人が中国総領事館前を行進した。参加者は習近平を風刺した「くまのプーさん」のマスクを着用し、習近平宛ての公開書簡を提出しようとしていた。

主催団体は、中国資本がミャンマーで進める鉱山開発によって、タイ国境地帯を流れる河川が鉛やカドミウム、水銀などで汚染され、数百万人の生活に影響が及んでいると指摘。約11万ヘクタールの農地が被害を受け、チェンマイでは12万人以上が水道水汚染の危険にさらされているほか、漁業や観光業にも深刻な打撃が及んでいると訴えた。

チェンマイでは警察が金属製バリケードでデモ隊の進行を阻止し、参加者の排除を試みた。この際、2人が負傷し、うち1人は腕を骨折して手術を受けたという。警察による強制排除はタイ国内で大きな波紋を広げている。

新唐人