NATO実習生をスパイ容疑で逮捕 浮かび上がる中共の海外浸透

2026/07/31
更新: 2026/07/31

ベルギー当局は最近、NATOでの実習中にスパイ活動を行った疑いで、中国系カナダ人の女性を逮捕した。事件を受け、メディア各社が女性の経歴を報じている。中共が海外人材を利用してひそかに情報を収集する手法に、改めて批判が集まっている。

カナダ放送協会(CBC)の調査によると、ベルギー当局が第三国のためにスパイ活動を行った疑いで拘束した女性の本名は、Biwei Zhangだという。仕事ではClaire Zhang、SNSではCatina Zhangの名を使っていた。

公開情報によると、チャン容疑者は2022年にオタワ大学でコンピューター科学の修士号を取得した。専門はAIとシステム工学で、カナダ政府機関や欧州の複数の国際機関で勤務や実習をした経験がある。昨年7月には、NATOの欧州連合軍最高司令部のIT部門で実習を始めた。実習中の不審な行動を防諜部門が察知したという。

複数の安全保障当局者は、今回の事件について、中共が近年、海外人材を通じてひそかに情報を集めているとされる手法と似ていると指摘した。

民主中国陣線世界副主席である盛雪氏は「過去数十年にわたり、多くの自由民主主義国は中共との間で、政治や経済、貿易、学術分野で交流や協力を進めてきた。しかし、その名目の下で門戸を大きく開いた結果、中共の関係者が入り込み、このようなスパイ活動を行う余地を与えてしまった」と述べた。

カナダの元情報機関職員、ダン・スタントン氏は、NATOは以前から各国の情報機関にとって主要な情報収集の標的であり、特に実習生は情報機関に狙われやすい立場にあると指摘した。

こうした国際機関の職員や実習生については、通常、カナダ側が安全保障上の審査を行う。今回の事件を受け、審査体制に不備がなかったかにも注目が集まっている。

盛雪氏は、「政府が中共政権の実質をより明確に見極め、その手法をはっきりと認識し、スパイ活動に真剣に対処していれば、対策にもおのずと進展が見られるだろう」と語った。

現在、裁判所はチャン容疑者の保釈を認めない決定を下しており、捜査が続いている。