中国共産党(中共)財政部のデータによると、2026年上半期の国有土地使用権譲渡収入は9778億元にとどまり、前年同期比31.5%減少した。2021年上半期に記録した最高水準と比べると、すでに7割以上縮小している。
「土地財政」の急速な縮小は、地方政府の財政収支への圧力を強めるだけでなく、地方政府に新たな財源を探すことを迫っている。
従来の土地の新規開発に依存した規模拡大から、既存資産の活用・管理へと転換しつつある。「既存資産の管理」とは、手元にある資産を活性化し、REIT(不動産投資信託)を通じて資産を証券化することである。
しかし、一部の地方政府による既存資産の管理は、REITなどを通じて資産を前倒しで現金化し、将来を先食いしているにすぎないとの分析もある。
土地売却収入、下落止まらず
中共財政部がこのほど発表したデータによると、2026年上半期の国有土地使用権譲渡収入は9778億元(人民元、以下同)で、前年同期比31.5%減少した。過去10年間の上半期として最大の減少率を記録し、2021年上半期の過去最高額3兆4400億元と比べると、約71.6%減少した。
中国共産党の「土地財政」は、2002年4月に国土資源部が「入札・競売・公示による国有土地使用権譲渡規定」(「11号令」)を公布したことに端を発する。その後、中国の都市化が加速し、地方財政制度は大きく変化した。
中共は2002年から、土地の入札、競売、公示による譲渡制度を全面的に実施し、土地資源の市場化を進めた。これ以降、地方政府は土地譲渡収入や不動産関連の税金・手数料に強く依存するようになり、土地使用権の譲渡や土地を担保とした資金調達などを通じて、財政資金や都市建設資金を集めてきた。この仕組みは一般に「土地財政」と呼ばれている。
入札、競売、公示による譲渡制度の全面的な推進と都市化の加速を受け、全国の土地譲渡収入は2007年に1兆元を突破した。2009年から2015年にかけて爆発的に増加し、2009年には1兆5900億元、2014年には4兆2900億元に達した。
2021年には、国有土地使用権譲渡収入が過去最高の8兆7千億元に達した。
しかし、2022年から2026年上半期にかけて、中国の土地譲渡収入は毎年大幅に減少した。2022年は6兆6900億元、2023年は5兆8000億元、2024年は4兆8700億元に減少した。2025年にはさらに4兆1500億元まで落ち込み、2021年の最高額8兆7000億元から4兆5500億元減少した。減少率は52%を超えた。
『第一財経』は2025年、中国の業界関係者が2026年の土地市場は改善すると予測していると報じた。『証券時報』も今年初めの記事で、2026年の中国の土地使用権譲渡収入を約3兆8千億元と予測していた。
しかし、中共財政部の最新データによると、2026年上半期の土地譲渡収入は改善しなかったばかりか、大幅に減少して1兆元を割り込んだ。通年で3兆8千億元との予測を実現するためには、下半期に約2兆8千億元の土地譲渡収入を得る必要があり、実現は困難とみられる。
土地使用権の売却収入が大幅に減少し続けていることは、地方政府の「土地財政」に直接影響し、地方政府の財政収入を大幅に減少させ、財政収支の不足をさらに拡大させている。
既存資産の管理、将来を先食い
中国経済問題の専門家、マイク・リー氏は大紀元に対し、20年以上にわたり「土地財政」に強く依存してきた地方政府は、この苦境を前に新たな財源と新たな生き残り策を探さざるを得なくなり、資産の新規拡大から既存資産の管理へと転換していると述べた。
「資産の新規拡大」とは、新たな資源や規模、空間、生産量を増やすことで成長を実現する経済運営モデルを指す。都市が新たな土地の開発や建物の建設によって範囲を拡大することなどが一般的な例であり、その核心は総量と規模の拡大を追求することにある。
「既存資産の管理」とは、手元にある資産を活性化し、REITを通じて資産を証券化することである。主な資産には、各種の土地、工業団地、商業用不動産、都市インフラなどが大量に含まれる。REITは「不動産投資信託」を指す。
リー氏はさらに、「簡単に言えば、高速道路や商業ビル、都市の駐車場システムを基金として組成し、資本市場に投入して投資家に販売するということだ」と説明した。
過去数十年間の都市化によって、大量のインフラや土地関連資産が蓄積された。その資産規模は100兆元を超えるが、証券化されている割合は3%に満たない。
リー氏は、「従来の土地の一括売却、すなわち70年間の使用権売却による収入とは異なり、資産の証券化は、今後数十年間の収益を前倒しで現金化し、短期的なキャッシュフローを増やす一方、将来を完全に先食いすることになる」と強調した。
REIT市場、軒並み下落
6月18日、第1陣となる商業用不動産REITが上海証券取引所に上場し、取引を開始した。
今回上場したのは、匯添富上海地産商業REIT、中信建投首農商業REIT、国泰海通砂之船商業REIT、中金唯品会商業REITの4商品で、調達資金の総額は200億元を超えた。
リー氏は、地方政府はすでに資産の売却を始めており、現在手元にある売却可能なものを、あらゆる方法で売ろうとしていると述べた。資産売却に躍起になっているのは地方政府だけではなく、中央政府系企業や民間企業も資産を売却しているという。
「21財経」の報道によると、2026年8月中旬までにREIT市場では93商品が上場したが、市場の動きは振るわない。トータルリターン指数は年初から7.77%以上下落した。93商品のうち8割以上が年初から値下がりし、半数は下落率が10%を超え、多くの商品が公開価格を割り込んだ。
リー氏は、年初以降、産業団地や倉庫・物流関連のREITが、供給量の増加や入居率の低下、賃料への下押し圧力などの影響を受け、最も大きく下落したと分析した。投資家の収益率と国債利回りとの差は縮小し、収益率が低下する一方で、リスクが高まっているという。
リー氏は、将来の収益を先食いすれば、将来のキャッシュフローが減少すると指摘した。地方政府はすでに将来の経済的利益にまで配慮する余裕を失っている。売却できるのであれば、現金化できる手元の資産を急いで商品化して上場させ、資金を集めようとしており、投資家には巨大な不確実性と極めて大きなリスクが残されると述べた。
一部都市の「土地財政」依存度、一時100%超
中国共産党の地方政府の収入は、主に「一般公共予算」「政府性基金予算」「国有資本経営予算」「社会保険基金予算」の四つに分けられる。土地譲渡金は「政府性基金予算」に含まれる。
中共の公式データによると、土地譲渡収入が最高水準にあった時期、地方政府の土地譲渡収入が「政府性基金予算」の収入に占める割合は高く、一部の年や地域では約80~90%、あるいはそれ以上に達していた。
格隆匯の勾股ビッグデータの統計によると、2020年には20都市で「土地財政」への依存度が100%を超え、19都市で50~100%だった。このうち、仏山市は「土地財政」への依存度が180%に達し、首位となった。
土地譲渡収入はかつて、地方政府にとって重要な財源だった。しかし、不動産市場が下落を続けるのに伴い、地方の財政力に占める割合も大幅に低下した。
克而瑞研究の見解として伝えられたところによると、地方政府の土地使用権譲渡収入の割合は、2020年の最高値84%から、2026年上半期には14.2%へと大幅に低下した。
「土地財政」が機能不全に
「新浪財経」は学者の発言として、「土地財政」によって地方政府が収入の最大化をより重視するようになり、短期的な行動を招いた結果、金融システムの過度な介入や、土地と住宅の供給空間の不一致などの問題が生じたと伝えた。
『時代週報』は、これまでの運営モデルについて「土地を売却し、資金を調達し、インフラを建設する」というものだったと指摘した。この手法は地方政府の債務を押し上げた。土地譲渡収入の継続的な減少が構造的傾向となる中、地方政府が抱える既存債務の返済は難題となっている。
複数の地方財政関係者は『第一財経』に対し、近年の土地譲渡収入の減少によって地方政府が利用できる財源が減り、地方政府の収支難が深刻化していると語った。
中共財政部のデータによると、2026年初めの時点で、地方政府の債務残高は56兆5900億元だった。中共当局は不都合な状況を常に隠しているため、実際の金額はさらに大きい可能性があり、この中には隠された巨額の「隠れ債務」も含まれている。
国際通貨基金(IMF)と国際決済銀行(BIS)は、2024年の時点で、中共政府の債務がすでに100兆元に達していたとみている。
同時に、不動産市場の低迷は関連税収にも影響を及ぼしている。中共財政部のデータによると、2026年上半期、中国の消費税は前年同期比3.4%減、不動産取得税は14.7%減、土地増値税は15.3%減、耕地占用税は3.5%減、環境保護税は18.6%減となった。地方政府性基金予算の地方本級収入も25.6%減少した。
責任編集:高静
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