動画:チベット・ネパール国境で土石流 多数死傷、観光客ら行方不明

2026/08/27
更新: 2026/08/27

8月26日、中国チベット自治区シガツェ市キドン県のキドン国境検問所付近で土石流が発生した。中国当局は、多数の死傷者・行方不明者が出ていると発表した。

ネパール当局によると、ネパール側では少なくとも800人の観光客と連絡が取れていない。また、ネパール北部で発生した洪水による死者は160人に達した。

ただし、その後にネパール観光局が公表した暫定集計では、行方不明となった旅行者は384人で、内訳は外国人291人、ネパール人93人だった。一方、中国国営メディアは、キドンで3人が死亡し、265人が行方不明になっていると報じた。

ネパール外相は、地震によって大規模な山崩れが発生し、川がせき止められた後、下流に洪水が押し寄せたと説明した。ネパール当局はヘリコプターによる捜索を進めているが、一部地域では水位が高く、着陸できない。

監視カメラが捉えた濁流と避難の瞬間

防犯カメラの映像に、ネパールと中国の国境地帯を激しい濁流が襲い、人々が一斉に逃げ惑う様子が映っていた。濁流は流路上にあったものを次々とのみ込んだ。

浙江省寧波市の住民は大紀元の取材に対し、現地を訪れていた知人の知人について、次のように語った。

「現地の運転手から、死者は千人を超えると聞いたそうです。災害が起きた時、その人は国境検問所からちょうど3キロほど離れた場所にいました。運よく難を逃れました。もし検問所のほうへ行っていたら、助かる見込みはなかったでしょう。ただ、現在はその人と連絡が取れません。今回はかなり深刻な事態だと思います」

さらに、「せめて遺体だけでも見つかってほしい。遺族にとって最後の慰めになるからです。私がSNSに投稿した動画はすべて削除されました。おそらく検閲されたのでしょう」と述べた。

国境施設の工事に携わっていたという男性も、大紀元の取材に対し、次のように語った。

「あの場所には非常に多くの人がいました。工事現場の作業員も、数十人全員と連絡が取れていません。私が以前泊まっていた宿泊先もすべてなくなりました。無事でいてほしい。死者は千人規模になる可能性があります」

男性は8月19日に退職して現地を離れていたため、難を逃れたという。

「検問所には、私の知る限りでも職員が約500人いました。あまりに恐ろしい状況です。現場には全体で500~1000人ほどがいたはずで、わずか30秒ほどで濁流にのみ込まれました。死者が千人を超えていても不思議ではありません。工事現場には四川省出身者が多くいましたが、国境関連の工事であるため、詳しいことは明かせません」

カイラス山巡礼者らが滞在する国境地帯

チベット自治区ガリ地区プラン県バガ郷タチンの住民は、「6月にあの検問所を訪れましたが、人は非常に多かった。今はカイラス山を巡礼する人も多く、検問所内には職員や武装警察も大勢いました」と語った。

※カイラス山巡礼とは、中国チベット自治区ガリ地区にある聖山・カイラス山の周囲を徒歩で一周する巡礼行である。外周は約52キロで、通常は3日ほどかかる。

中国国営中央テレビ(CCTV)のニュースアプリによると、26日午前10時30分ごろ、ネパール側で土石流災害が発生し、シガツェ市キドン県のキドン国境検問所周辺で多数の死傷者・行方不明者が出た。検問所へ向かう道路は寸断され、ドローン映像では一部の建物が土砂に埋まっていることが確認された。中国側では、検問所へ通じる道路のほか、通信と電力もすべて途絶しているという。

2026年8月26日、ネパール・ヌワコート郡トリスリ・バザール地区では鉄砲水が発生し、川沿いの住宅の一部が土砂を含む水に浸かった。同日、ネパール北部のラスワ郡でも大規模な洪水が発生し、道路や電力インフラが損壊した。当局は被害状況を緊急調査している(Prabin RANABHAT/AFP via Getty Images)
2026年8月26日、ネパール・ヌワコート郡トリスリ・バザール地区では鉄砲水が発生し、川沿いの住宅の一部が土砂を含む水に浸かった。同日、ネパール北部のラスワ郡でも大規模な洪水が発生し、道路や電力インフラが損壊した。当局は被害状況を緊急調査している(Prabin RANABHAT/AFP via Getty Images)

ネパール電力庁(NEA)は、今回の鉄砲水により、複数の水力発電所、送電設備、道路、橋が被害を受けたことを確認した。被災地ではすでに電力供給が停止している。

洪水の原因について、一部の当局者は、上流から異常な量の水が流れ込んだと指摘している。氷河湖の決壊、融雪、降雨などが関係しているという。BBCの取材に対し、ある当局者は、今回の被害規模が昨年この流域で発生した洪水を上回ると語った。

キドン国境検問所の監視カメラ映像には、少なくとも10台の大型バスが停車する中、多くの人が突然、反対方向へ走って避難する様子が映っていた。黒い土砂を巻き込んだ濁流は津波のように背後から迫り、短時間で車両と人々をのみ込んだ。

方暁
顧暁華