中東情勢の緊張が続き、イランが航路への機雷敷設で航行妨害を図るなか、米軍と同盟国による護衛の下、ホルムズ海峡を通過する石油輸送量は紛争開始後の最高を記録した。
クリス・ライト米エネルギー長官は2日、8月31日にホルムズ海峡を通過した石油の輸送量が1700万バレルを超えたと明らかにした。ホルムズ海峡を迂回する陸上パイプライン経由の輸出も含めると、この地域から同日に輸出された石油の総量は、紛争前の通常水準を上回ったという。
今年2月28日にアメリカとイランの軍事衝突が始まる前は、原油と石油製品を合わせて1日約2千万バレルがホルムズ海峡を通過していた。
ライト氏はCNBCのインタビューで、「米海軍とトランプ大統領は、イランが持っていた唯一の切り札を奪った。それは世界経済を人質に取ろうとすることだ」と述べた。
さらに、「それが彼らの切り札だった。イランは今、その切り札にすべてを賭け、一定の混乱を引き起こしているが、その切り札を失いつつある」と語った。
米政府が示したホルムズ海峡経由の石油輸出量は、民間の船舶追跡会社による推計を上回っている。
ライト氏はこの違いについて、米軍と米エネルギー省が最も正確なデータを把握していると説明した。民間企業の追跡では、位置情報を切って航行する船舶を把握できないことがあるためだという。
米軍はオマーン沿岸に船舶の安全航行を確保するための航路を設け、湾岸諸国のタンカーがこの航路を利用してホルムズ海峡を通過している。攻撃を受けるリスクを減らすため、船舶は夜間に位置情報を送信するトランスポンダーを切って航行することも多い。
ライト氏は「トランプ大統領はアメリカの軍事力と世界各地の同盟関係を活用し、イランの動向にかかわらず、アラビア湾地域から石油と天然ガスの輸出が続くことを示している。まさに今、それが現実になっている」と述べた。
2日の米原油先物価格は約1%下落した。
イランとアメリカの攻撃の応酬で、いったん落ち着いていた状況が崩れ、原油先物は一時1バレル=90ドル近辺まで上昇したものの、その後は値を下げた。
ライト氏は、米海軍が引き続き地域に展開し、安全保障上の脅威を取り除くことで、イランの圧力に左右されることなく、中東からのエネルギー供給を確保すると強調した。
「ヨルダン川西岸でも、ガザでも、レバノンでも、こうした過激派組織が引き起こす問題は、すべてイランに行き着く。アメリカはイランが核兵器を獲得する道を断ち、地域全体で混乱を引き起こす能力を奪う」と述べた。
英国海事貿易オペレーションの事故報告によると、イランはアメリカが保護する航路を利用するタンカーを繰り返し攻撃しているほか、商船に対し、イラン領海内を通る北側の航路へ迂回するよう求めている。
今週、ホルムズ海峡では少なくとも2隻のタンカーが攻撃を受けた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。