歴史の授業で旧日本軍も使用した旗を羽織ったら、同じ中国人の学生たちに取り囲まれ、謝罪を迫られた。しかも、場所は中国ではなく、ロシアの大学だ。
騒動が起きたのは、名門モスクワ大学。中国人留学生の男性(24)が授業中、赤い太陽から光が放射状に広がる「旭日旗」を肩に羽織り、机には日本の軍帽を置いていた。
男性によれば、19世紀の日本の歴史を紹介するためで、日本の軍国主義を支持する意図はなかったという。
ところが、その写真がネットに広まると、他の中国人留学生たちが激怒。男性を取り囲み、謝罪動画を撮影させたと報じられた。
男性は謝罪し、二度と同じことはしないと約束した。しかし騒動は収まらず、中国人留学生の団体が大学側に処分を要求。大学も調査を開始した。
中国では、日中戦争や南京事件などを扱う歴史教育が、政府の進める「愛国主義教育」の重要な柱となっている。日本の戦争責任に関わる言動が、激しい批判を招くことも珍しくない。
2001年には、女優の趙薇(ヴィッキー・チャオ)が旭日旗に似た模様の衣装を着たことで猛批判を浴び、イベント中に汚物をかけられる事件まで起きた。
2021年には、俳優の張哲瀚が日本旅行中に撮影した写真に靖国神社が写っていたことから、芸能界で事実上の活動停止に追い込まれた。
同じ年、上海の専門学校では、南京事件の犠牲者数に関する史料について授業中に疑問を呈した女性教師が、学生に動画を撮影され、ネットで批判が殺到。学校から解雇された。
こうした過去の事例を見ても、中国では日本の歴史に関わる言動が、本人の説明や意図とは別に、大きな騒動へ発展することがある。
今回も、歴史の授業で使った旗が、同胞による謝罪要求や大学への処分要求にまで発展した。
中国を離れても、同胞の目を気にして、口を慎み、行動を慎み、波風を立てずに過ごす。国境を越えることはできても、中国社会の息苦しさまで置いてくるのは難しいようだ。
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