6カ国協議:中国が介入するものに、成果は望めない

2005/07/30
更新: 2005/07/30

【大紀元日本7月30日】北朝鮮核問題をめぐる第4回6か国協議が7月26日に北京で再開した。専門家らは、4回目の協議も前の3回と同様、具体的な成果を挙げることは難しいとみている。

7月28日の会談では、アメリカと北朝鮮は互いに妥協しない立場を再度強調し、双方の根本的な相違点が依然として存在するかたちとなった。アメリカは、9月にも国際調査員を派遣し、北朝鮮核施設の査察を要求したが、北朝鮮がこれを拒否したという。

北朝鮮は27日、アメリカが主張した核兵器開発計画の中止を拒み、米国が朝鮮半島から核兵器を撤廃し、両国が外交関係を結んでから、核兵器開発計画を放棄すると表明し、両者の意見は相いれない形となった。

核脅威と中国共産党の介入

注目すべき点は、北朝鮮核兵器危機が、唯一の重要問題ではなくなっていることである。最近中国軍部の高官が国際メディアに、アメリカが台湾海峡の武力紛争に介入する場合、中国は核攻撃も辞さないと洩らしたばかりであり、この発言は、中国共産党が核兵器は使用しないという政策を転換する前兆とも受け止められている。

専門家から見れば、核兵器を大量に所有する独裁政権・中国共産党の存在は、北朝鮮よりも遥かに世界の脅威である。その中国共産党が核協議での協調役を担当するというのは、世界の安全保障に対するブラックジョークである。中国共産党と金正日政権は、本質的に同じであり、共に民衆の命を虫けらのように扱う、残虐な政府だからである。

10年前に、北朝鮮核問題が浮上したときは米朝両国間の問題だったが、2003年から中国が積極的に参与し始め、北京での6か国協議開催を促してきた。しかし進展はまったくなく、代わりに中国共産党はホワイトハウスに色々な問題、例えば台湾問題、前中国国家主席江沢民氏が米国で提訴された問題などで譲歩させることに成功したのである。

懐柔政策は共産主義独裁政権の思うツボ

北朝鮮は近年、飢餓問題に直面しており、6か国協議に戻ることを表明した直後、韓国は50万トンのコメの支援を打ち出した。過去何年間も、韓国は毎年平均40万トンのコメを北朝鮮に送り続けてきた。しかし、北朝鮮亡命者で韓国の朝鮮日報記者・姜哲煥氏は、6月14日のブッシュ大統領との会談で、「国際社会は北朝鮮に大量の人道主義援助を行っているが、北朝鮮の庶民はこれらの救援物資を見たことがない。韓国政府が現在行っている、対北朝鮮の懐柔政策は、金正日政権にとって好都合なだけである。さらに多くの国民が独裁政権によって殺されるのを招くだけだ」と訴えた。

姜哲煥氏は、国際社会は北朝鮮の核兵器問題に関心を示しているが、国民にとって、人権問題はより緊迫した問題であり、北朝鮮問題を論議するときには、核兵器問題と人権問題を連結して考えなくてはならないとの見解を示した。

アメリカの対外政策に大きく影響した「民主主義論」の著者、イスラエル前内閣部長・シャルイスキー氏も同様の見解を持っている。「私は、ソ連の強制収容所に監禁されたときに、一番励みになったのは、当時のアメリカのレ-ガン大統領がソ連を「邪悪帝国」と称し、自国民を刑務所に監禁するソ連とは友になれぬと宣言したことだった。北朝鮮にも、同じ強硬措置が必要だ」と強調し、人権問題や、政治、核兵器問題を連結して迫れば、北朝鮮も最終的にソ連と同じ道を踏むであろうと期待を示した。

(大紀元記者・王珍)
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