中共は米国に対抗、北朝鮮を境界要塞に

2006/01/24
更新: 2006/01/24

【大紀元日本1月24日】中共は米国に対抗、北朝鮮金正日総書記長はこのほど、中国の9日間に及ぶ極秘訪問を終了した、関係者らは、金総書記の今回の訪問は、中国の改革開放の経験を学び、北朝鮮が健全発展の道を採用するためであると見ている。今回の訪中は、北朝鮮にとって隣国・中国との友好関係を固めること、また中国にとっては、北朝鮮核廃棄問題をめぐる6カ国協議の遂行にプラスになったとされる。また、中国は、東アジア地区の平和維持、中国の利益および安全を確保することにも意義があったとみられる。

調べによると、金総書記は9日間の極秘訪中で、深セン、珠海、広州など中国改革開放の先進地区に重点をおき、湖北省の武漢および長江水利建設、北京の工業、技術、農業、教育などの関連事業および企業を視察した。金総書記は、中国の現代化建設は驚異的な発展を遂げたと賞賛し、自らは中国の南部経済特区の成果を見学したという。

中国の発展を公式に認めた

金総書記は、中国の改革開放は正統な社会主義からかけ離れていると、これまで反対してきた。しかし、今回の視察で金総書記は中国の改革開放を公に認めたことには、中朝関係はある段階まで回復したことを意味する。朝鮮半島における南北戦争終了後、北京および平壌においても激動があった。金総書記の父親・金日成氏が親中派を一掃し、対中国の防御を強化した。のち、中ソ関係の悪化から、北朝鮮はさらにソ連一辺倒となった。

金正日の時代に入ってから、中朝関係はさらに疎遠になった。核問題が提起された際、中国は関連情報をつかめず、介入もしなかった。実際、核問題についての最初の協議は北朝鮮と米国のみだった。その後、金総書記が再び核兵器製造を計画したことで、米国は中国の協力を求めた。当時の銭其琛外交部長は、「我々より米国の方がより多く知っている」「我々の影響力は限られている」と率直に述べたこともあった。北京はその後、核問題に介入し、米中朝3カ国協議を開始し、現在の6カ国協議に至った。しかし、北朝鮮は相変わらず、約束を守らず勝手な行動を取っている。金総書記の中国視察行きを実行するまでに、中共側はかなり時間がかかったという。

今回の9日間の中国視察は、金総書記にとって内政および外交政策を含む治国の参考になったとみられる。金総書記は、核兵器政策で北朝鮮の飢饉を脱出させることはできないと認識したであろう。また、北朝鮮が経済発展の道を選択した際に、核問題もうまく解決できるとみられ、金総書記の今回の訪中は、6カ国協議にとってはプラス情報ではないかとみられている。

中国境界の要塞になる北朝鮮

一方、北京内部では北朝鮮に対する援助に反対する者もおり、金総書記は中国の関係を一定に保つことは、北朝鮮の利益になるからだと主張した。しかし、胡錦濤首相は異見を退き、北朝鮮を親密な戦友として扱った。

胡首相の現時点の態度は、北朝鮮を中国の東および北アジア地区の境界要塞に据え置くつもりであろう。同拠点の作用の1つは、米国の新しい包囲圏を突破することにあるとみられる。もう1つは、日々増加しつつある日本側からの問題提起の対応に作用させるとみられる。概括すると、中国は東および北アジア地区問題を処理する際、消極的行動を積極的行動に変え、北朝鮮という新しいカードを手にしたと言えよう。北京内部では、北朝鮮を援助することによって、米国の機嫌を損ねることを懸念している。しかし、北京側は北朝鮮という盾を取得し、さらにイラン核開発問題が起きたことで、米国は中国に対して気軽に開戦することはない見解を持っていると見られる。

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