専門家:鳥インフルエンザ感染発生の源は広東省

2006/02/10
更新: 2006/02/10

【大紀元日本2月10日】米国立科学アカデミー報で、米国、中国、香港の専門家らが2004年1月から2005年6月にかけて行なった大型鳥インフルエンザ遺伝子に関する研究が報告された。同研究は、鳥インフルエンザ感染源が中国広東省であると示し、ウイルスは野鳥により青海湖を渡って中央アジアおよびトルコなど各地へ広まったと示唆した。

*ウイルス遺伝子研究により、発生地は広東省

報告によると、同研究は香港米埔、江西省鄱陽湖および南中国の家禽市場より、1万3千羽の渡り鳥および5万羽の家禽の検体を集め、鳥インフルエンザ・ウイルスの遺伝子配列の分析を行った。

報告によると、鳥インフルエンザ・ウイルスの遺伝子の変化に従い、広東、広西省および雲南省で発見されたウイルスは、すべて96年の広東省のウイルスに由来しており、ベトナムおよびタイで発見されたウイルスは、広東省と同型。また、他の国に比べて、中国南部のウイルスの遺伝子変異がもっとも著しいと強調した。

*ウイルスは渡り鳥によって北へ広がった

統計によると、鳥インフルエンザ・ウイルスは昨年の1月~3月に北へ移っている。また専門家による研究で、江西省鄱陽湖で普通に見える野生の鴨が鳥インフルエンザウイルスを持っていることが明らかになった。一部の野生の鴨は感染したのち回復しても、そのウイルスが約1週間の間に、他の家禽に移ることがあるという。

このように、野生の鴨は1千700キロメートル先にある青海湖まで広まり、昨年の5月、同湖で鳥インフルエンザ感染が発生し、5千羽の渡り鳥が死亡した。同研究グループは、昨年青海湖で起きた鳥インフルエンザ感染は、ウイルス拡散の転換点であると示した。

また、同研究グループの香港大学微生物学ペイウィス教授は、トルコで発生した鳥インフルエンザのウイルスの遺伝子配列は、江西省鄱陽湖で発見されたものと類似していると示した。

*家禽市場が諸悪の根源

報告によると、家禽市場の検体で2%の健康な家禽がH5N1型ウイルスを持っているという。専門家らは、ウイルスの拡散を予防するために、家禽間のウイルス伝染を極力防ぐべきであり、特に中国南部での同型ウイルス拡散に注意すべきだと警告した。

また、同ウイルス遺伝子研究によると、現在は四タイプの鳥インフルエンザ・ウイルスが発見されており、ワクチンの予防注射は必ずしも異なる種類のウイルスに対して有効であるとは限らないと指摘し、ワクチンを常に更新する必要があると強調した。

*深センおよび香港の予防を強化

香港ではここ最近、家禽がH5N1型ウイルスに感染し死亡するケースが多かった。当局は、香港がすでに鳥インフルエンザ感染の高危険期に入り、鳥インフルエンザ感染を防止するために、あらゆる措置を施したという。一方、深セン市当局も家禽市場の巡回を強化する方針。