カナダ独立調査団:中国における法輪功学習者対象とした臓器狩りの告発に関する調査報告(

2006/07/17
更新: 2006/07/17

【大紀元日本7月17日】カナダ議会議員デービッド・キルガ―(David Kilgour)氏=カナダ外務省前アジア大洋州局長=と国際人権弁護士デービッド・マタス(David Matas)氏は6日、カナダ議会で記者会見を開き、中共による法輪功学習者の臓器を強制摘出する告発について、二ヶ月間を費やした調査の結果をカナダ政府とメディアに公表、中国における法輪功学習者の臓器を生きたまま強制摘出する告発は紛れもない真実であるとの調査結果を発表した。本サイトは、その調査報告書の全文(日本語訳)を3回に分けて掲載する。

マタス弁護士は記者会見で、「すべての証拠を詳しく検証した結果、我々の調査結論は、法輪功学習者の臓器を生きたまま摘出するのは、紛れもない事実であり、本人の意思を反する、法輪功学習者を対象とした、この大規模な臓器狩りは常に存在し、未だに行われていると我々は信じる…私たちもその調査結果に驚いており、これは地球上において前代未聞の邪悪な行為だ」と述べた。

報告書の公表は、欧米主要メディアの注目を引き寄せ、ロイター、AFP、BBC、カナダ通信社及びカナダの2大テレビ局CBCとCTVなど、同発表を即日報道した(映像)。カナダ保守党全国幹部会議長ラヒーム・ジャファーは13日、カナダ政府は欧米関係諸国と連携を図り中共に圧力をかけ、国際社会が中国国内で告発の真相調査を計画しているという。

調査報告書(日本語訳)のその一は、次の通り。

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法輪功学習者対象の中国における臓器狩りの告発に対する調査報告

目 次

A. 序

B. 調査方法

C. 告発

D. 立証の難しさ

E. 立証方法

F 立証および反証の構成要素

F1.中共が抱いた脅威
F2.迫害政策

F3.憎悪の煽動

F4.大規模な逮捕

F5.弾圧

F6.身元不明者と失踪
F7.臓器の出所

F8.血液検査

F9.臓器が摘出された遺体

F10.自白

F11.承認

F12.待機期間

F13.ネット上の負罪証拠

F14.被害者からの事情聴取

F15.人権侵害一般

F16.金銭授受に関する考察

F17.腐敗

F18.立法

G. 証拠の信用性

H. さらなる調査

I. 結論

J. 提案

K. コメント

L. 添付資料一覧 (Lは別ファイルとなる)

1 真相調査委員会からの協力要請

2 デービッド・マタスの略歴

3 デービッド・キルガーの略歴

4 事情聴取を受けた人々

5 中国大使館への書簡

6 中共政権の法輪功に関する発言

7 法輪功学習者に対する迫害

8 拘禁中の学習者に対する血液検査

9 拘禁中、身元を明かさなかった法輪功学習者

10 失踪

11 中国における毎年の死刑執行件数(アムネスティ・インターナショナルの統計)

12 臓器が摘出された遺体

13 取材記録

14 電話調査の記録

A. 序

2006年5月24日付書簡を通じ、米国ワシントンD.C.に設立登記され、カナダのオタワにも支所を有するNGO団体「法輪功迫害調査連盟(CIPFG)」から、中華人民共和国の国家機関及び政府職員が法輪功学習者を対象とした「臓器狩り」に従事しており、臓器収奪の過程で法輪功学習者を殺害しているとの告発につき、その調査協力の依頼があった。同書簡は本報告書に添付されている。我々二人を含む、多くの中国の友人はこの告発に対し重大な関心を持った。事の重大さに鑑み、同時に世界の人権尊重に関心を持つ者としてこの依頼を引き受けることとした。

デービッド・マタスは、ウィニペグで開業している移民、難民、及び国際的人権問題を主な業務とする弁護士。人権問題啓蒙の著作や講演を行い、人権擁護のNGO活動などにも参加している。

デービッド・キルガーは前国会議員。カナダ政府国務省アジア太平洋担当官を歴任し、議員となる前は主任検察官。本報告書の作成者二人の履歴は本報告に添付されている。

B. 調査方法

本件の調査は、依頼者側であるCIPFGと法輪功団体、または他のいかなる組織と政府からも独立して、我々自らこれを行ったものである。我々は中国へ行こうとしたが果たせなかった。しかし、本調査の次の段階として、証人や関連機構と接触できるならば実現したいと考えている。本調査で我々は多くの人への取材ができた。これらのデータは別紙として本報告書に添付されている。我々は入手できる大量の関連情報を精査した。本報告は他者から報酬を受け取ることとなく、ボランティアで行われたものである。

C. 告 発

中国のいたるところで法輪功学習者が生体「臓器狩り」の犠牲者となっているとの告発がある。この「臓器狩り」は法輪功学習者の意思に反して行われており、広範囲且つ様々な場所において、系統的方針に従い大量に行われている。

「臓器狩り」は臓器移植の一段階である。「臓器狩り」の目的は、移植する臓器を提供することにある。移植を行う場所と「臓器狩り」の場所は必ずしも同じではなく、たいてい別の場所で行われる。

告発によると、この「臓器狩り」は法輪功学習者の生存中に行われている。法輪功学習者は、「臓器狩り」の過程若しくはその直後殺害され、これは殺人の一形態に当たる。

そして最後に、殺害された法輪功学習者は焼却されるという。そのため「臓器狩り」の証拠となる遺体は残らない。

もしこのようなことが行われているとすれば、しかもそれが政府の指示によって行われているのならば、それは人権尊重が普遍的価値として認められるに到った21世紀初頭において最も警戒すべきことである。さらに我々の最初のビデオ証言者の一人である法輪功学習者ではない女性から、前夫であった医師が2003年10月(この時点で彼は続ける事を拒否したと言う)までの2年ほどの間に、麻酔をかけられた2,000人もの法輪功学習者から角膜を切除したとの証言を得たとき、我々は震撼した。本報告に書かれている我々が知った状況はほとんど全て、この証言と同様にむごたらしくすさまじい。

D. 立証の難しさ

これらの告発はその性質上、事実関係を立証し難いだけでなく、否認することも難しい。告発を立証する最適な証拠は目撃証言であるが、本件に関しては目撃者を確保するのは非常に難しい。

臓器摘出が実際に行われていれば、現場にいるのは犯人または被害者のいずれかに違いない。傍観者は存在しないはずである。告発によれば、被害者は全員殺害され、焼却されるため、遺体を捜し出すことはできないし、ましてや遺体解剖はなおさら無理である。自らが受けた暴行を語ることができる生存者もいない。また、この事件が確かに起こっているとしても、犯人が自ら人道に対する罪を認める可能性は極めて低い。それにもかかわらず、我々は十分な供述と証言を入手したわけではないが、電話調査を通じ、意外にも「犯行」を認める供述を多く得ることができた。

たとえこの殺人が行われたとしても、犯行現場にはいかなる痕跡も残されていないであろう。臓器摘出が終われば、手術室はまた普通の手術室に戻るのである。

人権問題に関する中共政権の厳しい統制により、これらの告発の真偽を評価することは非常に難しくなっている。残念なことに、中共政権は、人権問題に関心を寄せている記者と活動家を抑圧している。中国には言論の自由はない。中国の内部から人権侵害事件を報道する者は大抵、投獄されている。中には国家機密漏えい罪で起訴された者もいる。こういう状況下では、NGOの人権団体が法輪功学習者からの「臓器狩り」について沈黙しているからといって、そのこと自体は我々にとっては何ら参考にはならない。

赤十字国際委員会が中国の刑務所に服役している囚人を訪問するのは当局から許可されていない。囚人の人権に関心を持ついかなる機構も許可されていない。このことにより、証拠を得られる可能性のあるルートがまた一つ絶たれている。

中国には情報開示に関する法律はない。中共政権から臓器移植に関する基本的なデータ、例えば、臓器移植の実施件数、臓器の出所、移植の費用と用途などに関する情報を得ることはできない。

この報告書を完成させるために、我々は訪中を試みたが徒労に終わった。我々は中共大使館に入国許可について面談を求める書簡を出した。この書簡は参考資料として本報告書に添付されている。面談は実現できたが、デービッド・キルガーと面会した大使館員は、ただひたすら、これらの告発を否定しているだけで、我々の訪中の話に全く興味を示さなかった。

E. 立証方法

これらの告発が本当かどうかを判定するため、我々は多数の証拠を精査しなければならなかった。いずれの証拠も単独ではこれらの告発の真偽を確定することはできないが、これらの証拠全体によって全体像を描き出すこととなる。

我々が目を通した証拠の多くは、それ自体では、告発を完全に立証することはできない。しかし、これらの証拠が存在しなければ、告発は否定されていたかもしれない。個別の証拠はこの告発を立証できないかもしれないが、特に証拠は膨大な数に上っているため、これらの証拠一つ一つでは立証できなくとも、これらの積み重ねによって告発は信ずるに足るものとなる。我々が特定した告発を反証を構成する可能性のある要素では本件告発を反証できないとすれば、本件告発が真実である蓋然性は相当程度と言える。

立証には、帰納法と演繹法を用いることができる。犯罪捜査は通常、演繹的に進め、多くの小さい個々の証拠を一つの全体になるように縫い合わせるのである。我々の調査は様々な制限を受けているため、演繹的な推論は困難である。それでも、我々は中国で起きていることを推論できる幾つかの資料を入手できた。それはすなわち、調査担当者による電話調査である。

ほかに、我々は帰納法を用いて双方向からの推論を行った。本件告発が真実でないとすれば、どうすれば真実でないと知ることができるのか。また、本件告発が真実であれば、どのような事柄が本件告発と一貫性があるのか。本件告発が真実であるならば、その真実性を説明できるものは何なのか。これらのような問題に答えることは、最終的な結論を導き出すことに大変役立った。

F.立証および反証の構成要素

我々の調査では、本件告発に対する立証および反証の双方の構成要素を、入手済み、そして入手できそうなものも含めて、すべて考慮した。何ら結果を得られなかった手がかりもあったが、それでも我々は可能な限り調査、追跡した。

F1.中共が抱いた脅威

1990年代後半、中共は法輪功をイデオロギー面における独占的な地位を脅かす存在とみなすようになっていた。この「抱いた脅威」は告発を立証するものではないが、もし仮に中共政権が法輪功を脅威であるとみなしていなければ、告発の正当性が危うくなる。

法輪功は李洪志氏が1992年に中国の東北部で創始したものである。彼は1980年代に気功を行い始めた。気功は心身の健康を促進できると考えられている古来の呼吸法であり、時に「中国のヨガ」と呼ばれている。中共が1949年に北京で政権を奪って以来、いずれの気功も抑圧されていたが、この警察国家でも1980年代には法輪功も含め気功に対する抑圧が緩和されていた。

法輪功は近年、李氏によって普及されたものであり、その中には儒教、仏教そして道教の要素が取り入れられている。本質的にこの気功は心身両面の健康を改善するための、煉功を通じて瞑想する方法を教えている。その活動は政治的なものではなく、法輪功学習者は、人種、国家、文化の枠を越えた真実、寛容そして慈悲を増進しようと努力している。暴力は法輪功学習者が忌避するものである。李氏は政府の中国気功科学研究会に法輪功を登録した。90年代の半ば頃、すでに6千万人が法輪功を学んでいたといわれている。中国政府の国家体育総局によると、1999年には7千万人の法輪功学習者がいたという。

2004年にエール大学が出版した、マリヤ・チャンの著書『法輪功』ではこう述べられている。「法輪功は中年層と中流階級が主体であると言われているが、年配者や学生、農民などの階層もいた。教師、軍人、中共幹部、外交官とその他の政府幹部など、あらゆる階層の人々がいた。さらに、李先生の法輪功の学習者の中には、江沢民国家主席、朱鎔基総理とその他の国務委員など、中共上層部指導者の配偶者や家族もいたと言われている。(注1)」

法輪功は80年代の中国における「ポスト毛沢東時代の『精神的空白』と、党がイデオロギーの統制を緩めた時期に宗教活動が爆発的に増えたことなど…」(注2)を背景に爆発的に増加した宗教活動のうちの一部である。とりわけ法輪功が人気を集めた理由の一つとして、現代科学と中国の伝統と結び合わせたことが挙げられる。

1999年7月に弾圧されるまでは、多くの都市部で、法輪功学習者は定期的に集まり一緒に煉功していた。マリア・チャンが著書で書いたように、北京だけで2,000の煉功場があった。朱前総理は法輪功をする人が増えることを歓迎していた。なぜなら、法輪功の煉功者はほとんど健康で、医療費を節約することができ、社会に利益をもたらしたからである。江前国家主席も1992年に、3,800万人の愛好者を有したとされる中功という気功団体のメンバーを招いて気功を始め、リューマチと頸痛を治療してもらったと言われている(しかしながら、2000年初めに江政権は中功を禁止し、その指導者を国外へ追放した(注1))。

江前国家主席と法輪功との個人的な衝突は1996年にすでに始まっていたとマリア・チャンやその他の専門家は分析している。当時、李氏の著作『転法輪』は全国ですでに百万冊が頒布された。高まり続ける法輪功人気は、江前国家主席を含む神経質な中共指導者の警戒心を呼び起こした。政治面で政府に反抗する可能性を恐れた政府は『中国法輪功』とその他の関連書籍の出版を禁止した。チャンは「李氏は自分自身と法輪功が差別を受けたと感じ、報道では政府に脅迫されたとして、1998年に渡米、永住権を取得した」(注1)と著書で言及した。

非暴力的弾圧の段階は1998年5月まで続いた。政府当局の管理下にあるテレビ局のインタビューは法輪功が「迷信」であるとした。チャンの研究によると、この発言を引き金に、数百人の法輪功をする中国共産党員や政府の役人、そして退役軍人らが当時の江主席に手紙を寄せ、煉功の合法化を訴えたという。しかし、この訴えは実現できなかった。その後、中共は『青少年科技博覧』という雑誌で、法輪功は迷信であり、法輪功学習者は重病にかかっても普通の医療を拒むので、健康を損なうものであるという記事を発表した。この記事を読んだ大勢の法輪功学習者は、天津にある雑誌の編集部の外に集まり、平和的に抗議を行った。警察官がそれらの法輪功学習者を逮捕、殴打したため、首都北京で新しい抗議活動が始まった(注1)。

1999年4月25日、10,000人から16,000人の普通の中国人は、早朝から深夜まで、紫禁城のそばにある中共首脳の中枢機関である中南海の外に集まった。その中には知識人、政府幹部や党員もいた。抗議は静かに行われ、標語もなければ、政治的なスローガンもなく、反抗的な声もなかった。チャンは「デモの日、江氏は車に乗って中南海を一周し、外から見えないガラスを通して様子を見ていた。彼は明らかにデモに驚いたようで、その日の夜、彼は、マルクス主義は法輪功に必ず勝利すると政治局のメンバーに私信で言い含めた。(注1)」と当時の状況を描いた。彼の目には、共産党の半世紀に及ぶ独裁政治がすでに危険に晒されているように見えたのである。

モントリオール大学東アジア研究センターの主任で中国現代史研究家のデービッド・オーンビー博士は、五年前にカナダ国際問題研究所に寄せた論文の中で、2001年とその前に起きたことを率直に次のように記述した(注2)。

「北米で温和と見られている法輪功が中国ではあからさまに『邪悪』とされていることから、人権に関心を持つカナダ人は、法輪功に対する中国当局による弾圧をもっと注意深く観察するようになるだろう。」

中共指導者の江沢民は法輪功を「カルト」と名指ししたが、オーンビー博士は「彼らのカナダとアメリカでの活動からは、人々が言うカルトの要素は少しも見当たらなかった。法輪功がカルトであるという中共政権の批判は、法輪功学習者への虐待に関する告発についての第三者による調査を中共政権が許可しない限り、説得力はない。中国は実は、法輪功が学習者を大量に動員できる力を恐れているのだ」と述べた。

F2.迫害政策

法輪功学習者を対象とした「臓器狩り」が中国で広く発生しているならば、そこにはそうした内容の政府の政策や方針があるはずだと考えるであろう。しかし、中国では政策決定過程が秘匿されているため、具体的な政策が存在しているかどうかを知ることはできない。

しかし、我々は法輪功に対する迫害が政策として実施されていることを知っている。本報告書に添付されているとおり、中国政府と中共政権が発した、身体の迫害を含めて、法輪功の迫害を命ずる非常に強力な政策表明文が存在する。これらの内容は我々が聞いた告発と一致している。

北京政府計画弁公室の李百根副主任(当時)の話によると、1999年「610弁公室」(法輪功取締特務機関)の責任者三人は3,000人の政府幹部を人民大会堂に招集し、法輪功に対する弾圧について議論したという。しかし、弾圧活動は思うほど順調ではなかった。北京の周辺には続々と陳情者が詰め掛けた。610弁公室の責任者である李嵐清は口頭で、法輪功に対する政府の新政策を伝えた。つまり、「その名誉を毀損し、その経済力を破綻させ、その肉体を消滅せよ」というものだった。その会議以降、警官によって迫害され死亡した法輪功学習者は、自殺死として片づけられている。

カナダの法輪功学習者から、中国の各地の法輪功学習者が警官から「法輪功学習者を殴り殺したら、自殺と言えばよい。遺体は直接、焼却すればよい」と脅されたという話を聞いた。

F3.憎悪の煽動

中国の法輪功学習者は、人間としての言論と行動の権利を完全に剥奪されている。当局の政策上の方針は、大衆の煽動と合わせて、迫害を正当化し、その迫害の賛同者を募り、反対の声を未然に圧殺することにある。このような特定団体に向けられた批判は、当団体に対する人権弾圧の予兆であると同時にそれを裏付けるものとなっている。

国際人権組織「アムネスティ・インターナショナル」の情報によれば、中共政権は信仰の放棄を拒否する法輪功学習者に対する暴力による制裁、法輪功学習者全員に信仰の自由を制限し、信仰を放棄させるための「強制洗脳」、そして国民が法輪功を憎むように煽動するためのメディアキャンペーンという3つの策略で法輪功を崩壊させようとしている。(注3)

2001年1月23日、当局が法輪功学習者と発表した、12歳の少女とその母親を含む5人が、天安門広場で焼身自殺を図ったという事件に関してメディアキャンペーンが展開された。事件後、中国のメディアはその少女が重度のやけどを負った衝撃的な映像や、法輪功への信用を失墜させ、法輪功に対する民意を変えようとする報道を中国全土に繰り返し放送し続けた。この事件は実は当局が脚色し演出したものであることが強く疑われている。

憎しみを煽動するだけでは迫害が行われているとは言い切れないが、こうした煽動は、あらゆる最悪の人権侵害を促進する。このような忌まわしいプロパガンダがなければ、我々が集めた一連の告発が真実であるとは考えないであろう。実際、このようなプロパガンダが存在しているからこそ、中国において、人々が法輪功に対するそうした行為―「臓器狩り」やその過程で彼らを殺害すること―に関わっている可能性が真実味を帯びてくるのである。

F4.大規模な逮捕

政府のメディア攻勢にもかかわらず、法輪功学習者数十万人が北京に上京して直訴を試み、横断幕やスローガンを掲げ、毎日のように団体の合法性を請願した。オーストラリア在住の作家・ジェニファー曾氏は当時北京に住んでいたが、彼女が独自に入手した中共の機密資料によると、2001年4月末までに逮捕された法輪功学習者は約83万人に達していたという。

秘密の強制労働収容所に法輪功学習者が大量に拘禁されていても、それ自体だけでは(臓器狩りの)告発を立証できない。しかし逆から見ると、もしそのような大量な被収容者が存在しなければ、告発は疑わしいものとなる。膨大な数の人々が国家の恣意と権力の標的になった場合、どのような形であれ自衛の手段が全く無ければ、そうした人々が潜在的な「臓器狩り」の対象となる。

F5.弾 圧 

法輪功の鎮圧には、江沢民が設立した「610弁公室」(注5,6)という特務機関が各省、市、県、大学、政府機関および国有企業に設置され、弾圧運動の先頭に立っている。江沢民が「610弁公室」に出した指令は法輪功の「根絶」であった(注6)。1999年の夏、法輪功学習者数万人が、刑務所や強制労働収容所に送致収容された。米国務省は2005年、中国に関する報告書(注7)の中で、警察は拘置所数百箇所、強制労働収容所340箇所で合計30万人を収容できると報告した。その報告書では、拘禁期間中に死亡した法輪功学習者は、数百人から数千人と推計している。

拷問に関する最近の報告では、国連特別調査官は、以下のように指摘している(注8):

「2000年以来、特別調査官とその前任者は、中共当局に拷問案件314件を報告した。その案件の関係者は、1,160人に達する」さらに「その数字のほかに、さらに注意すべきなのは、2003年に寄せられた案件(E/CN.4/2003/68/Add.1 para. 301)で、法輪功学習者数千人が受けた虐待と拷問とが記述されている」。

そのほかに、報告書では、拷問と虐待の被害者の66%は法輪功学習者であると指摘。その他の被害者は、ウイグル族人が11%、風俗産業従事者が8%、チベット人が6%、人権活動家が5%、反体制者が2%そしてその他の人(エイズ感染者と宗教団体のメンバー)が2%を占めている。

1999年から、すべての地方政府には、北京の命令を徹底的に実行させるために、無制限の自由裁量が与えられた。それ以降、法輪功学習者が焼身自殺や、殺人、家族への危害行為、医療の拒絶を行うと国民に信じ込ませるために、多くの捏造が行われた。時が経つにつれてこの詐欺宣伝は一定の効果を顕わし、多くの中国人は、明らかに中共当局の見方を受け入れた。1999年後半になって初めて全人代が法輪功に対する禁止法を可決し、それまでの法輪功への迫害行為すべてが遡及的に合法化された」。

2年後(2001年8月5日)、ワシントン・ポスト紙北京支局は、「610弁公室」とその他の中共機関による法輪功への迫害の深刻さを暴露する以下の記事を掲載した(注9)。

「北京西部のある警察署で、欧陽氏は裸のままで5時間の拷問を受けた。彼の話しによると、『もし私の答えが(彼らの要求と)異なっていれば、つまり、イエスと言わなければ、警官らは電撃警棒で私を電撃した』。その後欧陽氏は北京西部の近郊地域にある強制労働収容所に拘禁された。そこで、警官らは彼に壁に面して直立不動の姿勢をとることを命じ、すこしでも体が動くと、電撃された。体力が限界に達し、倒れたときも、電撃された」。

「後に、欧陽氏は拘禁されている法輪功学習者グループの面前で、ビデオカメラに向け、自分の信仰を放棄すると再度声明した。それで欧陽氏の身柄は、刑務所から『洗脳センター』に移された。20日間続けて、毎日16時間以上、法輪功を批判し続けた末、彼は『卒業』した。欧陽氏は『当時でも、今でも、私が受けた圧力は信じ難いものである。過去2年間に私は人間の最も醜いことを目の当たりにした。我々人間は本当に地球上で最も罪深い動物だ』と語った」。

オーンビー博士は、「人権団体が一致して、中共政権による法輪功への残酷な迫害を譴責している。カナダ政府を含めて、世界でも多くの政府が、すでに関心を示し始めている」と指摘、アムネスティ・インターナショナルの2000年度報告書を引用して、1999年7月に弾圧が始まって以来、すでに法輪功学習者77人が、拘禁期間中に死亡し、あるいは釈放された直後に死亡した(注2)と説明した。

F6.身元不明者と失踪

不幸にして標的となった法輪功に対する抑圧の方法は、ある意味で、中共当局の常套手段ではあ

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