中国人の海外「逃走」が加速 日本など海外不動産の購入急増

2016/05/16
更新: 2016/05/16
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危うい政治情勢、あふれかえる腐敗官僚、景気の低迷、際立つ貧富の差など、多くの問題が内在する中国社会。こうした中、中国人富裕層の多くが、今にも爆発しそうな中国社会から先を争って脱出し国外に活路を求めようとしている。彼らは財産を守るために安住の地を世界中に求めており、その多くが投資移民と海外不動産購入という手段を使っている。

 中国人「法的な身分が得られるなら、100万米ドルを投資する」

アメリカのある中小企業経営者は、投資移民に関する専門家にアドバイスを求めた。投資移住を望む中国人の友人が彼の会社に100万米ドル投資したいという。友人はこの投資に対する見返りを求めておらず、ただ法的な身分の保証だけを望んでいる。安易に引き受けて会社が面倒なことに巻き込まれては困るが、友人の頼みをむげにもできない。そこで投資移民に関する法的手続きを明確にしておきたいということだった。

 米国では、投資移民の関連業務が大流行り

現在、米国の弁護士や不動産ブローカー、ファイナンシャルアドバイザー、ベンチャーキャピタル関係者の多くが投資移民の関連手続きを手がけている。例えば、これまで不動産ブローカーは不動産取引を行うだけでよかったが、顧客のニーズが変わり、不動産投資移民に関する情報やサポートも求められるようになったからだ。

こうした中国人富裕層を対象に、シリコンバレーのある不動産会社は3件もの不動産投資プロジェクトを立ち上げた。そのうちの大規模商業プロジェクトでは、すでに3人の中国人が投資することにより米国永住権を取得し、現在投資額55万米ドルの1人の枠しか残っていないという。このプロジェクトの他にも、同社はサンフランシスコで学生マンションやホテルといった数々のプロジェクトを抱えており、これから順次打ち出す予定だとしている。

 米不動産市場に投資する中国マネーが急増

また、サンフランシスコのベイエリアに位置する不動産会社が実際の顧客の話として伝えたところによると、上海から来たある顧客は市場の状況を確認後、その場で不動産物件を購入したという。その人物は2度目に来社した時にもう1棟購入したうえ、3つ目の物件購入を検討中だと口にした。

最近の研究報告の指摘によると、2015年に中国人投資家が米国に投じた商業投資金額は150億米ドル(約1兆5983億円)という記録的な額に跳ね上がった。中でもカリフォルニア州の物件の人気が高いという。

2016年には、1~3月のわずか3カ月間で投資額はすでに50億米ドルを上回っている。中でも最大級となったのが大連万達集団(Dalian Wanda Group)による企業買収で、同グループは今年1月、35億米ドルを投じて、ハリウッドの映画製作会社のレジェンダリー・ピクチャーズを擁するレジェンダリー・エンターテイメントを買収することを発表した。

 

 日本、英国、豪州 世界の不動産市場を目指す中国人投資家

近年では、日本の不動産物件を購入する中国人も増加傾向にある。週刊ダイヤモンドの分析によると、日本の不動産物件を購入する中国人投資家は富裕層に限らず、30代の若年層も見られるようになった。こうした若年層は同世代の日本人と比べて経済的に余裕があるとされる。上海からの若い投資家たちは一般的に夫婦ともによい仕事についており(国営企業を含む)、アパートなど様々な投資経験を持っているという。

また三井不動産によると、日本の不動産購入に興味を示す中国人投資家の多くは他国での不動産投資経験を持っているという。英国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ大陸など、世界中いたるところに中国マネーが行き渡っている。

実際に、マンチェスターやリバプールといったイングランド北部の都市でも不動産物件を所有する中国人が増加しており、例えばあるマンション1棟のうち、6割の物件が中国人によって事前購入されたことが、英メディアによって報じられている。

また豪紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューの報じたところによると、豪州外国投資審査委員会(FIRB)の報告によって、2015年に中国から同国への投資申請金額は466億豪ドル(約3兆7775億円)で、そのうち不動産投資額が240億豪ドル(約1兆9455億円)だったことが明らかになった。調査によると、中国人投資家が海外市場に目を向ける主な原因は、資産リスクの緩和だという。

 中国人にとって、不動産投資はいつの時代も最も安全な方法

中国人は貨幣より実物の方が安全で価値があると信じている。安全な場所に投資することによって財産の保全を行っているが、中でも不動産投資は中国人にとっていつの時代も最も安全な方法とみなされており、常に需要が高い。時代の趨勢により、海外に流出する中国人は後を絶たない。中国政局が迷走する間こうした流れが続ていくだろう。

(翻訳編集・桜井信一/単馨)