豪外相、カンタス航空の台湾表記で中国が圧力掛けたと批判

2018/06/05
更新: 2018/06/05

[シドニー 5日 ロイター] – オーストラリアのビショップ外相は5日、中国が豪カンタス航空<QAN.AX>に対し、ウェブサイトで台湾を中国の領土として表記するよう圧力を掛けたと批判した。

カンタスは4日、台湾、香港、マカオが中国から独立した国の一部であることを示唆する表記をウェブサイトやその他資料から削除するよう求めた中国政府の要請に応じることを決定したと明らかにした。

豪政府は台湾を「国」として認知していないが、ビショップ外相は電子メールで発表した声明で、企業の事業運営は政治的な圧力を受けるべきでないと指摘。「カンタス航空が自社ウェブサイトをどのように構成するかは同社が判断すべきことだ」との見方を示した。

マコーマック副首相とペイン国防相も、企業は独自の判断で決定を下すべきだとの認識を示した。

在豪中国大使館は現時点でコメントの要請に応じていない。

中豪関係を巡っては、ターンブル豪首相が昨年、内政干渉を阻止する法案提出を表明した際に、「中国の影響に関する気掛かりな報道」に言及するなど、このところ悪化が目立っている。

豪トレジャリー・ワイン・エステーツ<TWE.AX>は、中国向け輸出の一部で通関手続きに遅れが出ていることを明らかにしている。両国間の外交的対立の最初の犠牲者になったとの指摘も出ている。

*内容を追加しました。

Reuters
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