マレーシア、潜水艦購入巡る疑惑を再調査 ナジブ前首相を聴取

2018/11/20
更新: 2018/11/20

[クアラルンプール 20日 ロイター] – マレーシアの地元紙ザ・スターによると、同国の汚職防止委員会(MACC)は、16年前の潜水艦購入を巡る贈収賄疑惑の調査を再開し、ナジブ前首相を聴取した。

ナジブ前首相は、政府系ファンド「1MDB」関連資金を不正に流用した容疑で逮捕されたが、一切の不正行為を否定している。

同紙によると、MACCが調査を再開したのは、フランスのDCNインターナショナルが2002年にマレーシアに納入したスコルペヌ型潜水艦2隻を巡る贈収賄疑惑。ナジブ前首相は当時、国防相を務めていた。

同紙がMACC関係筋の話として報じたところによると、ナジブ前首相は19日、この問題を巡って聴取を受けた。この問題を巡ってフランス当局の調査対象となっている前首相の元側近も聴取を受ける予定という。

DCNインターナショナルは、その後DCNSに改称。昨年、ネーバル・グループに再び改称した。ネーバル・グループには、仏タレス<TCFP.PA>が約30%出資している。

この潜水艦の売却を巡っては、ナジブ前首相の関係する会社に1億3000万ドルの手数料が支払われていたとマレーシアの人権団体が訴えており、フランス当局が捜査に着手。タレスとDCNSの元幹部が捜査対象になっている。

タレスの広報担当はコメントを控えている。ネーバル・グループもコメントを控えた上で「関連する国内・国際法規をすべて厳格に順守する」と表明した。

マレーシア当局の現時点の調査では、ナジブ前首相が直接不正に関与した証拠は見つかっていないという。ナジブ前首相と支持者は、一貫して不正行為を否定している。

Reuters
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