EUがWTO改革案公表、米国の支持得られるか注目

2018/11/27
更新: 2018/11/27

[ジュネーブ/ブリュッセル 26日 ロイター] – 欧州連合(EU)は26日、世界貿易機関(WTO)の紛争解決機能に関する改革案を公表した。同案は中国やインドなど他のWTO加盟国も合意している。WTOのあり方に異議を申し立てている米国の賛同を得たい意向だ。

トランプ米大統領はWTOの紛争処理機関で最高裁に当たる上級委員会の委員人事に反対してきたほか、米国がWTOを離脱することも示唆しており、WTOは崩壊しかねない状態にある。

欧州委員会のマルムストロム委員(通商担当)は声明で「多くの加盟国の賛同の下、これまでで最も具体的な改革案だ。現在の膠着状態の打開に貢献することを望む」とした。

米国のWTO大使を務めるデニス・シア氏は上級委員会が規則を順守するよう要求し、人事に反対することで委員会の空席が増えている。現在は委員数が最低限度の3人。任期切れで2019年12月には1人に減る予定で、WTOは裁断を下せなくなる。

EU当局者は今回の改革案について、米国の懸念事項5つに包括的に対応していると述べ、次は米国が役割を果たす番だと指摘。改革案は12月12日のWTO総会で提示する。

シア氏は、これまでのEU案に反対する姿勢を明らかにしている。上級委員会委員の説明責任を強化する米国の要望を反映していないためという。EU当局者は今回の改革案について米国からの反応は今のところないと語った。

Reuters
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